この物語はまた、安倍昭恵さんの物語でもあるということをお伝えしておきたいと思います。大下英治氏の『安倍晋三・昭恵 35年の春夏秋冬』(飛鳥新社)では、多くの取材で明らかになった安倍総理の夫婦間のやり取りが詳細に描かれています。その取材力に感心したのですが、この漫画ではその辺りもできる限り丁寧に描いています。
とかく政治家の世界は男所帯で、物語も権力闘争として描かれがちです。しかしそれでは、安倍総理の人物像を全体的に描いたことには決してなりません。人間なのだから、強い部分があれば当然弱い部分もあります。その辺りは昭恵さんとの生活の中で描写しました。ぜひご注目ください。
本邦初公開のエピソードも満載
どうしても確たる資料が集まらなかったアベノミクスについて、内閣官房参与を務めた藤井聡京都大学大学院教授に京都で偶然出会い、細部に渡る秘話を伺えるなどの僥倖にも恵まれました。その他、独自取材に基づいた本邦初公開のエピソードもかなり盛り込んでいます。