「運命の人」を追体験する
『マンガ安倍晋三物語』の制作は膨大な資料集めから始まりました。安倍総理ご本人だけではなく、父・安倍晋太郎氏、祖父・岸信介氏の資料なども物語の細部を描くために必須です。さらに各時代に活躍した政治家の自叙伝も参照したかったので集め出すと、まさに膨大な数の書物と資料の山、山、山。それらをひたすら読み込むことからスタートしました。
その中でまず感じたことは、安倍総理の幼少期からみられる「意志の強さ」です。3歳の時、父・晋太郎氏から濡れ衣を着せられて怒られた際のエピソードなどは象徴的で、決して安易な謝罪をせず自らの非を認めることもなく、晋太郎氏から「お前はしぶとい!」と言わしめる豪胆さを発揮します。
また、高校生の時、70年安保を条文も読まず批判する教師に対して堂々と物申す辺り、安倍総理の正義感が遺憾なく発揮されます。
一方、祖父・岸信介氏が60年安保の際に命を狙われ、実際に太ももを刺される事件や、デモ隊が連日のように岸邸を訪れ日米安全保障条約の批准を阻止しようとした光景をリアルタイムで見ていたのが安倍総理でした。あの時の岸信介氏の政治家としての決断が今の日本の経済的繁栄の享受の大きな要素を占めている。その決断を間近にいて肌で感じることができたのは、大変に貴重な体験でした。
さらに安倍総理は、政治家を志した父・晋太郎氏が大きな挫折を経て復活してゆく姿も間近で見続けてきてこられました。「清和会のプリンス」と称され、「将来の総理」と多くの人が疑わなかった父・晋太郎氏は、志半ばで命を落とします。そうした経験を経て政治家になられた。まさに「運命の人」であったと言えましょう。『マンガ安倍晋三物語』では安倍総理の人生を追体験できます。そこでは、単なるサラブレッド議員の政治家物語では決してない、「何か」を感じ取っていただけるのではないか、そう確信しています。
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