派閥を全廃し、自民党は解体的出直しを!|和田政宗

派閥を全廃し、自民党は解体的出直しを!|和田政宗

平成元年(1989年)に党として国民に実現を約束した「政治改革大綱」には、「われわれは、派閥解消を決意」と明記されている。35年前に国民とした約束を果たしていないこを、私を含む党所属の全国会議員は猛省すべきだ。


「自民党をぶっ壊す」以上の取り組み

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そして、まず行うべきことの2点目は、党に強力な監査機関を創設することである。

立法を行う国会議員が法を侵すということはあってはならず、法令順守の徹底は当たり前のことであり、所属国会議員が法を侵すようなことがあれば、立件されるか否かに関わらず党の監査機関が調査を行い、除名や立候補禁止などの処分を行うべきである。法を侵しても、立件されなかったからセーフということはあり得ない。

さらに、政治資金規正法における違法行為の厳罰化などが論点となるが、これは政党支部のあり方とともに考えていかなくてはならない。現在のように、国会議員が支部長を務める形式で政党支部を存続させるなら、罰則の強化とともに会計責任者のみならず国会議員も責任を負うようにしなければならない。

しかし、私は政治資金の透明性をさらに高めるために、国会議員に紐づいている政党支部のあり方自体を変えるという改革が必要であると考える。

現在の支部は、例えば「自由民主党東京都第@選挙区支部」というように、各選挙区ごとに国会議員が自ら支部長を務める政党支部を作り、その支部の管理は実質的に国会議員の事務所に任される。もし国会議員が引退したり選挙区を変えるなどした場合には、その政党支部は解散となる。だが、政党は社会の公器であり、政党支部も同じである。

であるならば、国会議員の政治活動に資する政党支部であったとしても、政党支部長は国会議員でない党員が務めるなど、国会議員が何か資金面で良からぬ操作をしようとした時に事務所外の他者のチェックの目が随時入り、良からぬ操作自体が不可能となる改革が必要であると考える。

こうした根本的な党改革・政治改革について、私は不断の取り組みを行う会を仲間とともに党内に作る予定だ。当然、派閥の全廃を掲げる。今、根本的な変革を実現しなければ自民党は早晩崩壊する。「自民党をぶっ壊す」以上の取り組みを行い、自民党の解体的出直しを強い危機感のもと必ず実現する。

政治改革をはじめ、自民党を国民との約束を必ず果たす政党に生まれ変わらせる。

著者略歴

和田政宗

https://hanada-plus.jp/articles/681

1974年、東京生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業(日本外交史)。1997年、アナウンサーとしてNHKへ入局。新潟局、帯広放送局、大阪放送局を経て、2009年7月より仙台放送局に勤務。東日本大震災の報道や取材に携わる。2013年、第23回参議院議員選挙において、宮城県選挙区で初当選。2019年、全国比例区で再選。

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