派閥を全廃し、自民党は解体的出直しを!|和田政宗

派閥を全廃し、自民党は解体的出直しを!|和田政宗

平成元年(1989年)に党として国民に実現を約束した「政治改革大綱」には、「われわれは、派閥解消を決意」と明記されている。35年前に国民とした約束を果たしていないこを、私を含む党所属の全国会議員は猛省すべきだ。


「政治改革大綱」を完全実施せよ!

自民党の派閥パーティーをめぐる問題は、国民の自民党への信頼を失い、自民党は結党以来最大の危機を迎えていると言っても過言ではない。

自民党は「政治刷新本部」を作り議論を行っているが、根本的な党改革・政治改革を行わなければ、自民党は国民の審判によって下野する可能性があるだろう。私は自民党所属議員として、国民の信託によって引き続き自民党が政権を担うために不断の改革を行わなくてはならないと考えており、必ず実現させていく。

そもそも政治改革において自民党が何から始めないといけないかであるが、平成元年に党として国民に実現を約束した「政治改革大綱」を完全実施することである。

「政治改革大綱」には、『わが党は立党のさい、自らを国民政党であると宣言した。しかし残念ながら今日、国民感覚との遊離がつよく指摘されるにいたった。われわれは、立党の精神にかえり、党の「倫理憲章」の遵守によるきびしい政治倫理の確立をはかるとともに、近代的国民政党にむけて党改革を断行する。そのためわれわれは、派閥解消を決意』と明記されている。

しかしながら、派閥解消は実行されないまま現在に至っている。政治倫理の確立はなされたのであろうか。国民との約束を果たしていないことは私を含め党所属の全国会議員が猛省すべきである。

今こそ「政治改革大綱」の完全実施に加え、さらに強力かつ実効性のある政治改革を実行すべきである、と私は党政治刷新本部で強く提起した。

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リクルート事件を受けて自民党は「政治改革大綱」をまとめたのだが……

岸田派、安倍派、二階派も解散を決定

私は政治改革において様々なことを実行しなくてはならないと考えるが、まず行うべきことは2点であると考える。

1つは派閥の全廃である。

今回の不祥事は、派閥から起きたことである。国民の目からすれば、問題の根源である派閥は全廃すべきであるというのは当然のことで、しっかりと法令を守ってきた党所属国会議員や党員からも、派閥の全廃が党改革の出発点であるというのは共通の認識だ。

党政治刷新本部においても、地元において街頭活動をはじめしっかりと国民に接している議員は極めて厳しい批判にさらされている現状を訴えた。私も国民の声はとても厳しく、党幹部に対しもっと強い危機感を持つよう訴えた。

政治刷新本部後にはメディアの囲み取材にも答え、「派閥全廃」を提起したことを述べたが、報道やワイドショーで私の取材への受け答えを見た方からも多くの賛同の声を頂いた。派閥全廃の声は国民の中にさらに広がっていったが、岸田文雄総理は18日の夜になって、「岸田派の解散を検討する」と述べ、翌19日には「岸田派を解散する」と明言した。

さらに、安倍派、二階派も19日、解散を決定した。私は党内の派閥を全廃し、自民党は解体的出直しをしなくては国民の信頼は回復しないと考える。問題の根源となった「派閥」という存在自体が国民から疑問を持たれており、立件対象外だったから存続させるという論理は国民には通らない。

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