“1勝1敗”の衆参補選と宮城県議選で明らかになったこと|和田政宗

“1勝1敗”の衆参補選と宮城県議選で明らかになったこと|和田政宗

10月22日に投開票された衆参補選、宮城県議選は、自民党にとって厳しい戦いとなったが、何とか踏みとどまったとも言える結果となった――。なぜか。その理由と今後の展望を徹底解説!(サムネイルは首相官邸HPより)


自民党にとって今が大きな分岐点

私は本当に今、自民党にとって大きな分岐点に来ていると思う。もしここで、経済財政政策においてしっかりと国民の信頼を取り戻せば、岸田内閣は大きく政策転換したと国民は考え、支持率も回復するであろう。

大胆な減税を行い、補正予算の規模も最低で真水(=直接的な財政出動)15兆円打てば、経済の見える光景は違ってくる。アベノミクスの目標であった2%の物価安定目標に大きく近づく。安定的で適度な物価上昇と所得向上、賃上げが持続し、国民の暮らしは毎年良くなっていくであろう。

しかし、もしこれが、「減税をするから、補正予算の財政出動を減らす」ということになれば全く意味がなくなる。まさに今週から自民党の政務調査会等で始まる議論が重要である。

もし、ここで対応を誤れば、日本経済が再沈没する危険性すらある。新型コロナにおけるゼロゼロ融資(無利子無担保融資)は元本返済が始まり、資金繰りが厳しくなっている企業がある。東京商工リサーチが調査した今年1月から8月の飲食業倒産件数は569件となり、このまま推移すると年間倒産件数が過去最多を更新する可能性がある。

大胆な減税と積極的な財政出動で、我が国全体の景気を回復させ発展軌道に乗せていかなければならない。そのためには、私は物価安定目標2%が達成されるまで消費税減税を行うことを考えるべきだと思う。

経済財政政策は、全ては国民生活がどう豊かになっていくかが根本にあるべきで、日本の国力からすれば財政破綻などは起きる状況にない。「失われた20年」は、各国が財政出動で経済を支えている時に、我が国は緊縮を行ったことが原因だ。

今こそ、我が国の未来のために、大胆な減税と積極的な財政出動を実現させたい。党内でしっかり闘っていく。

著者略歴

和田政宗

https://hanada-plus.jp/articles/681

1974年、東京生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業(日本外交史)。1997年、アナウンサーとしてNHKへ入局。新潟局、帯広放送局、大阪放送局を経て、2009年7月より仙台放送局に勤務。東日本大震災の報道や取材に携わる。2013年、第23回参議院議員選挙において、宮城県選挙区で初当選。2019年、全国比例区で再選。

関連する投稿


【編集長インタビュー】自民党再生のための三つの条件|西村康稔【2025年11月号】

【編集長インタビュー】自民党再生のための三つの条件|西村康稔【2025年11月号】

月刊Hanada2025年11月号に掲載の『【編集長インタビュー】自民党再生のための三つの条件|西村康稔【2025年11月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


チャーリー・カーク暗殺と左翼の正体|掛谷英紀

チャーリー・カーク暗殺と左翼の正体|掛谷英紀

日本のメディアは「チャーリー・カーク」を正しく伝えていない。カーク暗殺のあと、左翼たちの正体が露わになる事態が相次いでいるが、それも日本では全く報じられない。「米国の分断」との安易な解釈では絶対にわからない「チャーリー・カーク」現象の本質。


進化する自衛隊隊舎 千僧駐屯地に行ってみた!|小笠原理恵

進化する自衛隊隊舎 千僧駐屯地に行ってみた!|小笠原理恵

かつての自衛隊員の隊舎といえば、和式トイレに扇風機、プライバシーに配慮がない部屋配置といった「昭和スタイル」の名残が色濃く残っていた。だが今、そのイメージは大きく変わろうとしている。兵庫県伊丹市にある千僧駐屯地(せんぞちゅうとんち)を取材した。


【編集長インタビュー】参政党への疑問を徹底的に問い糺す|神谷宗幣【2025年10月号】

【編集長インタビュー】参政党への疑問を徹底的に問い糺す|神谷宗幣【2025年10月号】

月刊Hanada2025年10月号に掲載の『【編集長インタビュー】参政党への疑問を徹底的に問い糺す|神谷宗幣【2025年10月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


変わりつつある自衛官の処遇改善 千僧駐屯地に行ってみた!|小笠原理恵

変わりつつある自衛官の処遇改善 千僧駐屯地に行ってみた!|小笠原理恵

自衛隊員の職務の性質上、身体的・精神的なストレスは非常に大きい。こうしたなかで、しっかりと休息できる環境が整っていなければ、有事や災害時に本来の力を発揮することは難しい。今回は変わりつつある現場を取材した。


最新の投稿


自公連立解消!? 公明党は高市さんともやっていけます|伊佐進一【2025年11月号】

自公連立解消!? 公明党は高市さんともやっていけます|伊佐進一【2025年11月号】

月刊Hanada2025年11月号に掲載の『自公連立解消!? 公明党は高市さんともやっていけます|伊佐進一【2025年11月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


【今週のサンモニ】時間差で起きた谷口真由美vs寺島実郎|藤原かずえ

【今週のサンモニ】時間差で起きた谷口真由美vs寺島実郎|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


「信じるか、信じないかはあなた次第」コナン・ドイルとトーマス・エジソンがはまった“見えない世界”|松崎いたる

「信じるか、信じないかはあなた次第」コナン・ドイルとトーマス・エジソンがはまった“見えない世界”|松崎いたる

信じたいものを信じる―ーそれが人間の根本的心理。オカルトにはまった偉人たち。コナン・ドイルとトーマス・エジソンが追い求めた「妖精」と「心霊」。私たちは、ドイルやエジソンの試行錯誤を「馬鹿げている」などと笑うことは決してできない。


抗日戦争勝利記念式典は「世紀の大噓」|古森義久【2025年11月号】

抗日戦争勝利記念式典は「世紀の大噓」|古森義久【2025年11月号】

月刊Hanada2025年11月号に掲載の『抗日戦争勝利記念式典は「世紀の大噓」|古森義久【2025年11月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


【独占スクープ!】元局長の公用PC文書入手!斎藤兵庫県知事「無罪」の決定的証拠|新田哲史【2025年11月号】

【独占スクープ!】元局長の公用PC文書入手!斎藤兵庫県知事「無罪」の決定的証拠|新田哲史【2025年11月号】

月刊Hanada2025年11月号に掲載の『【独占スクープ!】元局長の公用PC文書入手!斎藤兵庫県知事「無罪」の決定的証拠|新田哲史【2025年11月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。