日本大使館敷地前で翻った日の丸
各登壇者の発言は以上の通りである。シンポジウムの翌日である6日(水曜日)は日韓の研究者、韓国の市民団体、さらに日本からの応援団が日本大使館敷地前に集合し、手に手に太極旗と日章旗を持って慰安婦の嘘を訴える集会を開催した。
すぐ近くの慰安婦像周辺では、慰安婦問題で日本政府を糾弾する「水曜デモ」が予定されており、我々との衝突も懸念されていた。だが蓋を開けると反日団体の40名弱に対して、こちら側は70名に達し、集会の規模と勢いで我々が圧倒的に優勢であり、日の丸を打ち振る日韓市民に対する妨害行為も一切なかった。
集会場に設けられた壇上には、代わる代わるシンポジウム登壇者や市民団体の代表が上り、「慰安婦の嘘」を道行く韓国市民に訴えかけた。その後歌手までが登場して我々を鼓舞する歌を連発し、会場はどこまでも盛り上がって行った。
集会を締めくくるにあたっては、山本優美子氏より、日韓の「歴史の真実を追求する勢力(真実勢力)」が連携することを訴える「慰安婦のウソと戦う日韓真実勢力共同声明」が発表され、大きな拍手が沸き起こった。
一般認識はまだまだ「強制連行説」が主流だが
Photo by Kazuyoshi SASAKI
中国、ロシア、北朝鮮の脅威に対抗するためには、日韓が互いに力を合わせる以外にない。そのような危機意識に目覚めた韓国の愛国者が立ち上がり、反日感情が渦巻く中で身の危険をも顧みず、学校で、街頭で、法廷で真実を訴えて戦って来たことが、韓国の反日世論に風穴を開け、日韓の「真実勢力」の連携へ発展し、今回のシンポジウムの成功に繋がった。その努力には心より頭が下がる思いである。
だが彼ら李栄薫氏が祝辞で述べたように、韓国内における慰安婦問題に関する一般認識はまだまだ「強制連行説」が主流である。幼いころから反日教育を通して植え付けられた日本への偏見と恨みは一朝一夕に変えられるものではない。
さらに北朝鮮や中国の手先である左派政治家や正義連などの「嘘つき勢力」はあらゆる「嘘」を動員して反日感情を煽り、日韓を離反させることに血道を上げている。
極東に位置し、自由と民主主義の価値観を共有する日韓は経済的にも安全保障上も運命共同体であり、離反すれば共倒れとなる以外にない。ならば、多少の痛みを伴おうとも「慰安婦問題」への誤解を解いて、韓国人の心に刺さった「偏見と恨みのトゲ」を根本から抜き去る必要がある。
戦いは道半ばだが、日韓の「真実勢力」の連携が実現した意義は極めて大きい。「お母さん部隊」の代表朱玉順氏も「慰安婦問題の専門家である日本の方々との連携が実現したことで百人力を得た」と喜びを語っていた。これからその協力体制を益々強め、「嘘つき勢力」を一掃して、日韓両国民が互いに心から信頼し、共に手を取ってアジアをリードする日が一日も早く訪れるよう筆者も全力を尽くしたいと思う。