昭恵夫人は、安倍氏とLGBT当事者とのやりとりについて、
・安倍氏は「LGBT問題は法律にしなくても解決方法がある」
・「日本は昔から差別をするような国ではない」と述べ
・LGBT当事者も納得をした
と明確に証言したのである。
これは私が安倍氏から聞いた松浦大悟氏とのやり取りの内容とも完全に符合する。
安倍氏はLGBTの当事者や法案の強力な推進者に対しても、一貫して「日本はLGBTを法制化しなければならないような国でない」との主張を明確にしていたことが、昭恵夫人の挨拶から改めて明確になったのである。
昭恵夫人の紹介で安倍氏と会い、「安倍氏は法案の必要を認識し賛成の立場だった」「安倍氏が『LGBT法は日本には不要との立場だった』という山ロ敬之は大ウソつき」と主張している人物は、昭恵夫人のエピソードで登場するのとは別の人物なのだろうか。
LGBT法を推進する稲田朋美を安倍元首相が支持していたというウソ
私はこの3年間、安倍氏の
・日本にはLGBT法は必要ない
・性自認差別禁止は絶対にダメ
という立場を月刊『Hanada』の誌面などで繰り返し紹介してきた。そして、これに明らかに逆行する稲田朋美氏を安倍氏が直接たしなめ、それでも改めない稲田氏を嘆き、呆れ、憤慨していた様子も詳述した。
ところが稲田氏はまるで安倍氏がLGBT法反対だったことを知らなかったと嘯き、3月25日に配信されたABEMAの番組のなかで「反対なら反対と言って欲しかった」とまで言い放った。
これは明らかなウソであり、稲田氏にとって政治の師であり恩人であるはずの安倍氏の遺志を踏みにじる暴挙である。 さらに稲田後援会の中には、LGBTに邁進する稲田氏の言動を安倍氏が支持していたと主張し、私を嘘つき呼ばわりする者もいる。
この人物は安倍氏から「稲田朋美をよろしくお願いします」などとのメッセージを受け取ったことを根拠に、「安倍氏は稲田氏を深く信頼しており、他人に愚痴るはずがない」などと主張している。
安倍氏が稲田氏のLGBT問題での暴走を嘆き憤っていれば、「後援者に『稲田朋美をよろしくお願いします』と言うはずがない」というのは論理の飛躍も甚だしい。
実際私の記事の中で、私は安倍氏が稲田後援会の幹部に稲田支援を依頼した経緯を詳述している。
安倍氏から聞いたところによると、2021年の衆院選が迫っていたころ稲田氏は「LGBTはもうコリゴリ。2度と関与しない」と安倍氏に述べた上で、「LGBT問題で地元後援会が紛糾しているから、電話して支援を呼びかけて欲しい」と依頼したという。
そこで安倍氏は複数の福井の保守系団体幹部に電話をかけ「LGBT問題では稲田も反省していますから、引き続きご支援を賜りますようお願いします」と依頼したという。
私の一連の著述について稲田氏は「事実無根」などと騒いでいるが、福井県立大学の島田洋一名誉教授が安倍さんからの電話を受けた本人に確認をして、ウラを取ってくれている。
「LGBT問題の後も稲田への支援を呼びかけていたのだから、安倍氏が他人に稲田氏の愚痴を漏らすはずはない」という主張が、いかに的外れのものかは言うまでもない。
そして最近、安倍氏は稲田氏への不快感と不信感を、別の人にも明確に伝えていたことが明らかになった。