本書は若手官僚、若手政治家を目指す人たちへのマニュアルとして書かれているが、一国民としても実に読みごたえがある。
「この国のために」という志を持つ者同士が、信頼関係で結ばれ、同じ目的地を目指して巨大タンカーである日本という国を引っ張っていく。そうして初めて、雨や嵐に見舞われても、乗員や荷物を失うことなく航行できる。
これから日本が迎える危機は、政官はもちろん民も一丸とならなければ乗り越えられないだろう。そのためのあるべき政治の様態、組織作りのヒントが、本書の至る所にちりばめられている。
ライター・編集者。1980年埼玉県生まれ。月刊『WiLL』、月刊『Hanada』編集部を経てフリー。雑誌、ウェブでインタビュー記事などの取材・執筆のほか、書籍の編集・構成などを手掛ける。