3年ぶりの日韓首脳会談 日本は言うべきことを言えたのか|和田政宗

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約3年ぶりに開かれた日韓首脳会談は、岸田総理と尹大統領の初会談でもあった。初会談は相手にくさびを打ち込む重要な会談である。はたして岸田総理は、韓国にくさびを打つことができたのだろうか。(サムネイルは首相官邸HPより)


諸国の勇気を奮い起こした安倍晋三元総理

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外交の場は国家のリーダーとしての覚悟が示されるとともに、信頼を得る場である。安倍晋三元総理は国際会議の場で、中国に遠慮し、うつむいていた東南アジアなどの国々の首脳に対し、日本がアジアと世界の自由と民主主義と秩序を守るということを宣言し、諸国の勇気を奮い起こし、絶大なる信頼を得た。

そして、安倍元総理が提唱した「自由で開かれたインド太平洋戦略」は、各国の信頼を得て、戦後初めて日本の総理が提唱した外交戦略が世界のスタンダードとなった。

北朝鮮の金正恩総書記、ロシアのプーチン大統領をはじめ、独裁者は暗殺の恐れのなかでその政権を保っている。こうした指導者と対等に対峙できるのは、真に肚の座っている指導者でなければできない。外交交渉の際、場合によっては日本に帰国できないかもしれないという命を賭す覚悟を持った交渉ができる指導者が必要である。

はたして岸田総理はそれができるであろうか。
日本の指導者に常に突きつけられていることである。

過去の政治家を見れば、戦前のみならず有史以来、我が国を守るために覚悟をもって外交交渉に臨んできた政治家がいる。時に強硬であったり、時に融和的であったり、こうした先人の外交の姿を学ぶことが今の政治家にとって特に重要だ。現下の状況を踏まえるとともに、そうした学びを経験値と変え、各国との交渉に臨んでいくべきである。

政治家は、国と国民を守るために身を賭さなくてはならない。学びと行動あるのみだ。

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