沖縄県知事選「敗北」の理由と今後の政局|和田政宗

沖縄県知事選「敗北」の理由と今後の政局|和田政宗

再選直後、玉城デニー氏は次のように述べている。「沖縄の未来を描いていくため、基地問題の解決を図っていくこと。私はこれまでもこれからも1ミリもぶれない」。「今回は辺野古の新基地建設が大きな争点だった」とも語っているが、辺野古移設や基地問題は沖縄県民の第一の関心ではなかった――。(サムネイルは玉城デニー氏のTwitterより)


50兆円規模の財政出動が必要だ

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今回の沖縄県知事選の結果が政局に影響を及ぼすかであるが、私はほとんど無いと考える。国民の関心は、新型コロナ禍からの経済の回復であり、岸田政権がどのように手を打てるかが政権の行方を左右する。

旧統一教会問題などで、政策に対する論点がぐちゃぐちゃになっているが、政権の役割は、国土を守り国民の暮らしを豊かにすることである。岸田総理は8日、総合経済対策を10月に策定し、それを基に補正予算を編成する方針を表明した。

現在は需要が供給を下回るデフレギャップ状態が続いており、最低でも30兆円、経済を上向きにするには50兆円規模の財政出動が必要である。需要を促すには、「GoToトラベル」のように直接消費につながる施策が有効であり、岸田政権における「全国旅行支援」の開始とともに、より一層強化する補正予算編成が必要である。

こうした施策の効果をフルに発揮させるためにも、速やかに新型コロナの感染症法上の位置付けを2類相当から5類相当に引き下げることが重要だ。岸田総理の迅速な決断を求めたいし、引き続き私も党内での議論をけん引するなどして促していきたい。

岸田政権の命運は経済対策の一点にかかっていると思う。「決断が遅い」「対応も遅い」などとの声が、党内であったり国民の皆様から聞こえてくるが、こうした声を真摯に受け止め、大規模な経済対策と補正予算を実行していかなければ、この先、国民の支持を失ってしまう可能性が強い。

国民の苦しい暮らしの現状をつぶさに感じて、施策として実行していくことが重要である。私は与党自民党の議員として、我が党が信頼を失わないよう行動していきたい。

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