航空自衛隊のアラートハンガーも!「撮影禁止!」できない日本の病|小笠原理恵

航空自衛隊のアラートハンガーも!「撮影禁止!」できない日本の病|小笠原理恵

潜水艦や戦闘機、空母の改修工事まで撮影可能な稀有な国として、外国から軍事ファンが大量に押し寄せる日本。自衛隊施設や関連工場が見物できる場所に公園や展望台を置き、ベンチを設置する自治体も多い。軍事情報を観光資源にしてもいいのか。


撮影箇所近くの松原展望台広場、自治体が航空自衛隊基地の滑走路を観光資源としていることがわかる

「さあ!見てください!」といわんばかりだ。失笑するしかない。

この動画を仮にテロリストがみたらどうなるだろう。
スクランブル発進を妨害したい相手にこの情報はどう映るのだろう。

目視で確認できる距離であれば、純正の迫撃砲なら戦闘機を破壊できる。山上容疑者がつくったような手作りのロケット砲やテロリスト御用達の東側ロケット砲、PG7での破壊は難しいが、それでも砲撃の混乱でスクランブル発進を遅らせることは可能だ。

わずか数分で領空に到達する未確認航空機に対応できなければ、どこかの学校、病院、発電所、駅や空港、自衛隊基地等、狙った場所に爆撃されるリスクがある。すでに動画配信されてから2年が経過している。インターネット上にあげられた画像は消せない。今も全世界に公開されている。

動画タイトルには「門外不出の極秘映像」

滑走路を見渡せる場所に展望台を設けられた航空自衛隊も機密性の高いアラートハンガー撮影に、諸手を上げて賛成しているわけではない。過去にも同様の事例があった。

2019年8月、航空自衛隊小松基地の格納庫で戦闘機の整備中の様子が無断撮影され、YouTubeに投稿された。

同年8月6日の毎日新聞の記事によると「格納庫は領空侵犯に備えた緊急発進(スクランブル)用で機密性が高い。格納庫前に設置されたコンクリート塀越しに撮影され、同基地渉外室は『敷地外からの撮影を制限する権限はなく、法的責任は問えない』と困惑している」とある。

小松基地の無断撮影動画タイトルには「門外不出の極秘映像」とある。確かに極秘映像だ。撮影を制限する権限がない小松基地渉外室は困惑するしかなかっただろう。その後、小松基地は障壁で物理的に撮影を遮断した。

自衛隊に軍事施設撮影禁止の権限を与える法整備ができないのであれば、予算を投入し自衛隊関連施設に障壁やドームで覆う以外に方法はない。日本国憲法制定より70年以上経過しても、まだ憲法改正の発議すらできない立法府の責任は重い。

この安易な軍事施設の撮影を享受する意識の弊害は自衛隊のみにとどまらない。セキュリティ保安のために在日米軍は基地内の無許可撮影を禁止している。米軍施設内ではむやみにカメラを出してはトラブルになる。

岩国空港は民間航空機も離発着する空港だが、米海兵隊岩国航空基地との共有部分を持つ。旅客機の離発着時に米軍の基地を撮影しないようにとアナウンスが流れる。その在日米軍基地に無断撮影する人が現れた。

訓練中のF-35Bステルス型戦闘機も撮影されて動画サイトにあがっている。動画タイトルは那覇基地とあるが、岩国で撮影されたもののようだ。特徴ある噴射口の動きもはっきりわかる動画だ。日米地位協定等で在日米軍内のセキュリティについては取り決めがある。日本政府側にクレームがでそうな問題だ。

F-35Bの着陸!航空自衛隊那覇基地!【飛行訓練】

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