沖縄祖国復帰50年 本土の「捨て石」は正確ではない|和田政宗

沖縄祖国復帰50年 本土の「捨て石」は正確ではない|和田政宗

大田實海軍中将は自決する直前、海軍次官に宛てた最期の電文を発出。「沖縄県民斯ク戦ヘリ 県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」。後世の政治家は、この言葉にしっかり応えているのだろうか。思い切った振興政策を行わなければ、こうした状況は改善できない。そこで提唱しているのが、沖縄県を「相続税無税特区」にすることである――。


「戦後」を終わらせるべきだ

Getty logo

そして、沖縄における米軍基地の問題にも取り組まなくてはならない。米軍基地面積は祖国復帰時の約2万9千ヘクタールから、現在は約1万9千ヘクタールと3割以上減少したが、依然として広大な面積を占める。

私は、沖縄をはじめ全国の米軍基地が現在のような状態であるなら、戦後はいつまでも続くと考える。「いまだ占領下」と言われても、過言ではない状況であるからだ。沖縄本島上空や横田空域など、米軍機の飛行が優先されたり航空管制を米軍が行うエリアなど、米軍の優越がいまだにある。

私は日米同盟を対等なものとし、我が国を自衛隊単独の力でしっかりと守れるようにしたうえで米軍と協力し、他国に侵略をさせない抑止力を高めることが必要であると考える。そうしたもと、沖縄をはじめとする米軍基地を再編成し、「戦後」を終わらせるべきである。

沖縄県の祖国復帰50年を機に、こうした取り組みのスピードを上げていきたい。政治家人生をかけ、日本の戦後レジームを打ち破り、しっかりとした国家としていきたい。

月刊『Hanada』2022年6月号

「嘘の新聞」と「煽るテレビ」 Kindle版

関連する投稿


変わりつつある自衛官の処遇改善 千僧駐屯地に行ってみた!|小笠原理恵

変わりつつある自衛官の処遇改善 千僧駐屯地に行ってみた!|小笠原理恵

自衛隊員の職務の性質上、身体的・精神的なストレスは非常に大きい。こうしたなかで、しっかりと休息できる環境が整っていなければ、有事や災害時に本来の力を発揮することは難しい。今回は変わりつつある現場を取材した。


終戦80年に思うこと「私は『南京事件』との呼称も使わない」|和田政宗

終戦80年に思うこと「私は『南京事件』との呼称も使わない」|和田政宗

戦後80年にあたり、自虐史観に基づいた“日本は加害者である”との番組や報道が各メディアでは繰り広げられている。東京裁判や“南京大虐殺”肯定派は、おびただしい数の南京市民が日本軍に虐殺されたと言う。しかし、南京戦において日本軍は意図的に住民を殺害したとの記述は公文書に存在しない――。


批判殺到!葬祭の準備まで問題視するしんぶん赤旗の空虚なスクープ

批判殺到!葬祭の準備まで問題視するしんぶん赤旗の空虚なスクープ

読者獲得のための宣伝材料にしようと放った赤旗の「スクープ」だったが、批判が殺到!いったい何があったのか? “無理やりつくり出したスクープ”とその意図を元共産党員の松崎いたる氏が解説する。


自衛官の処遇改善、先送りにした石破総理の体たらく|小笠原理恵

自衛官の処遇改善、先送りにした石破総理の体たらく|小笠原理恵

「われわれは日本を守らなければならないが、日本はわれわれを守る必要がない」と日米安保条約に不満を漏らしたトランプ大統領。もし米国が「もう終わりだ」と日本に通告すれば、日米安保条約は通告から1年後に終了する……。日本よ、最悪の事態に備えよ!


自衛隊の特定秘密不正の多くは政令不備、いますぐ改正を!|小笠原理恵

自衛隊の特定秘密不正の多くは政令不備、いますぐ改正を!|小笠原理恵

潜水手当の不正受給、特定秘密の不正、食堂での不正飲食など、自衛隊に関する「不正」のニュースが流れるたびに、日本の国防は大丈夫かと心配になる。もちろん、不正をすれば処分は当然だ。だが、今回の「特定秘密不正」はそういう問題ではないのである。


最新の投稿


【今週のサンモニ】「再エネありき」「反原発ありき」の時代は終わった|藤原かずえ

【今週のサンモニ】「再エネありき」「反原発ありき」の時代は終わった|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


変わりつつある自衛官の処遇改善 千僧駐屯地に行ってみた!|小笠原理恵

変わりつつある自衛官の処遇改善 千僧駐屯地に行ってみた!|小笠原理恵

自衛隊員の職務の性質上、身体的・精神的なストレスは非常に大きい。こうしたなかで、しっかりと休息できる環境が整っていなければ、有事や災害時に本来の力を発揮することは難しい。今回は変わりつつある現場を取材した。


【読書亡羊】雑誌「冬の時代」が過ぎて春が来る?  永田大輔・近藤和都(編著)『雑誌利用のメディア社会学』(ナカニシヤ出版)|梶原麻衣子

【読書亡羊】雑誌「冬の時代」が過ぎて春が来る? 永田大輔・近藤和都(編著)『雑誌利用のメディア社会学』(ナカニシヤ出版)|梶原麻衣子

その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする時事書評!


昭和天皇と出光佐三の〝黙契〟|上島嘉郎【2025年9月号】

昭和天皇と出光佐三の〝黙契〟|上島嘉郎【2025年9月号】

月刊Hanada2025年9月号に掲載の『昭和天皇と出光佐三の〝黙契〟|上島嘉郎【2025年9月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


斎藤兵庫県知事を叩く消費者庁の正体|池田良子【2025年9月号】

斎藤兵庫県知事を叩く消費者庁の正体|池田良子【2025年9月号】

月刊Hanada2025年9月号に掲載の『斎藤兵庫県知事を叩く消費者庁の正体|池田良子【2025年9月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。