「権力に執着がない」
ところが、だ。小川議員は映画でも「権力に執着がない」とし、自らそれを「政治家として致命的」とまで述べている。
筆者は思わず、映画のタイトルになぞらえて「あなたが総理になれない理由はそれだよ!」と画面に向かって叫んでしまった。
小川議員は〈強靭な意志で「変わるまい」と歯ぎしりしながら自分を律している〉といい、当初は50歳での引退を誓っていたという。
しかし日本を変えられないままリミットを迎えてしまった。
あれだけの日本の将来に対する強い危機感を持ちながら、「その実現に必要な権力」に執着しないで、どうやって政策を実現するというのだろうか。「あとは権力だけじゃないか!」と非常にもどかしく思うのだ。
菅前総理との共通の信念
小川議員が多くの人から応援されるのもわからなくはない。
和田静香『時給はいつも最低賃金―』のコラムに「小川さん号泣」という一文がある。「社会の片隅で働く人たちへ、小川さんの言葉をいただけないか」というライターの和田氏の要請に、涙ながらに小川議員がこう述べるシーンがつづられている。