【読書亡羊】まるで中国要人の主張を読んでいるみたい 富坂聰『「反中」亡国論』

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その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする週末、もとい、今回は連休書評!


しかも日本人である富坂氏が書いているからこそ、「中国が日本に対してどういう点を突いてくるか」がより分かりやすくなってもいる。次の一文などはまさにそうだろう。

ウイグルの問題で日本が中国の内政に口を出せば、中国から何らかの強いリアクトがあることを覚悟しなければならない。(日本にとって最大の貿易相手国である)中国と日本が深刻な対立に陥れば、日本経済へのダメージは計り知れない。

そしてのちに日本国内に失業者があふれ、国民一人ひとりの収入が、いま以上に大きく目減りするという影響が明らかになったとき、「それでもウイグル族のために戦ってよかった」と日本人が本当に思えるのであれば、それでもよいのだが……。

駐日中国大使の弁であるとしても違和感はなさそうだが、間違いなく富坂氏の主張である。

つまり、日本人であり、どちらかと言えば保守なのではと考えられている富坂氏の主張だと思うから「中国の代弁者!」などと違和感や反発を覚えてしまうが、「中国が言いたいのはこういうことなのだ」「日本に対してこういう視線を向けている」と主体を中国に置き換えて読めばストレスはないのである。

数年前には中国国内の拷問施設を批判

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