国連に代表される国際社会の人権への取り組みは、中国に対して圧力をかけられない構造的欠陥を抱えているので、国連の外で中国の人権侵害を厳しく監視、調査する常設機関を設けることが必要だ。例えば、自由民主主義を信奉する先進7カ国首脳の集まりであるG7サミットの下にそれを作れば、度を超えた人権侵害に対してはサミットとして制裁を科すことができるのではないか。人権侵害を理由に対中制裁をかけることを目標に、皆で知恵を絞りたい。(2020.12.07 国家基本問題研究所「今週の直言」より転載)
著者略歴
モラロジー研究所教授、麗澤大学客員教授。1956年、東京生まれ。国際基督教大学卒業。筑波大学大学院地域研究科修了(国際学修士)。韓国・延世大学国際学科留学。82〜84年、外務省専門調査員として在韓日本大使館勤務。90〜02年、月刊『現代コリア』編集長。05年、正論大賞受賞。17年3月末まで、東京基督教大学教授。同4月から、麗澤大学客員教授・モラロジー研究所「歴史研究室」室長。著書に『でっちあげの徴用工問題 』など多数。