またまた前川本が続いてしまいましたが、この本、前回ご紹介した『面従腹背』発売後、わずか2週間程度で発売になっています。
前川ファン、前川びいき、そして前川ウォッチャー(アンチ含む)がどの程度、存在しているかは定かではありませんが「両方買う!」という人はそれほど多くないはず(当欄は買ったわけですが)。売れ行きが心配です。
とはいえ、今回、聞き手は元朝日新聞編集委員の山田厚史氏。期待は高まるわけです。
ところが、開いてみてびっくり。あまりに字が大きい。本誌と比較してもこれ。
お分かりいただけただろうか……。
前川さんの講演を聞きにやってくるのは〈年配の方々が中心で、若い人は少ない〉(198ページ)とのことですので、この字の大きさもニーズに合わせたものでしょうか。
字が大きい=字数が少ないということ。新書の倍近い値段(1380円)ながら、新書より字数が少ないことに驚きます。
やっぱり「君が代」が嫌い
肝心の中身はどうなのか。せめてネタにでもしなけりゃ元が取れんぞ、との思いでこの欄で取り上げているわけですが、悲しいことに、新しい話がほとんどない。例の意味ではない「薄い本」になってしまいました。
それも当然で、『面従腹背』と丸被りな部分が多々あるからです。
自身が辞任することになった天下り問題について前著よりも少し詳しく書いてある点は評価できるのですが、前川さんの半生などは前著と重なっているので、既視感が半端ない。
そしてやっぱり「君が代」に対する嫌悪感も半端ない。前回も書いたことですが、前川さんはやっぱり「君が代」の強制が何よりもお嫌いなご様子。
文科省では永年勤続20年表彰の儀式で君が代を歌うそうなのですが、山田氏から「前川さんは君が代を歌いますか」と聞かれた前川さんはこう答えています。
〈歌いました。面従腹背で(笑)〉