さすが“全裸監督”
月刊『Hanada』の名物連載「村西とおるの人生相談『人間だもの』」。94回続いた連載を2022年6月号より、「有名人の人生相談『人間だもの』」にリニューアル。
第1回はプーチン大統領
第2回は市川海老蔵
第3回は國光真耶(小林麻耶)
第4回は蓮舫
第5回はガーシー
作家の林真理子さんは『週刊文春』(9月29日号)の連載「夜ふけのなわとび」で、《中でも私が好きなのは、「村西とおる 有名人の人生相談『人間だもの』》であると告白。村西とおる監督も「ナイスですね!」と叫んだ、林真理子さんのコラムを抜粋。
「私はつくづく感服してしまった」
その理由とは?
以前、週刊文春の編集長だった、花田紀凱氏が作った「月刊Hanada」は、世の中の右っぽい空気に支持されて、とても好調のようである。
時々読ませていただいているが、中途半端な私はよく「あれ」とか「そうかなあ」と思うことがある。
(中略)
それはともかく「Hanada」は、豪華な執筆陣が目につく。佐藤優さん、爆笑問題が連載しているからすごい。
中でも私が好きなのは、「村西とおる 有名人の人生相談『人間だもの』」。架空のお悩み相談のようで、十月号はなんとガーシーである。
(中略)
いかにも本当に、ガーシーが持ちそうな悩みは、
「監督、俺は悪党です。正義の味方やない。でも、悪党やからこそできる『世直し』があると思ってます。いまは日本には帰りません。正直、帰るんが怖い……。監督は前科七犯やから慣れっこでしょうが、私は警察と仲良くしたい! 何か良い方法はありませんか?」
これに村西とおる監督はこう諭す。
「結論から申し上げれば、警察と仲良くして罪を免れる方法はございません」
とし、
「あなたさまと同じような海外逃亡生活の男がいました」
が、望郷の思いを抱いたまま自死したと告げる。
「苛酷な自由社会に生きる一般人にとって、そうしたスキャンダルは格好の娯楽、エネルギーとなり得ても、知り得た秘密を洩らしゼニの種にするようなエゲツない人間をいつまでもモテ囃すほど、社会は甘くはありません」
さすが“全裸監督”、世の中のことをわかっているなあ、と私はつくづく感服してしまった。
(後略)