リニア中央新幹線の静岡県内のトンネル工事着工については、2017年9月に大井川流域の利水者11団体とJR東海、静岡県の間で合意し、協定文書を作成するところまで進んでいた。川勝知事も当初はリニア新幹線に全面的に賛成していた。反対している理由は、大井川の水量減という環境問題よりも、静岡県への何らかの見返りを求めているとする見方が少なくない。しかし、それによって国益の損失は計り知れない。(2020.07.06 国家基本問題研究所「今週の直言」より転載)
著者略歴
国基研企画委員兼研究委員。1948年生まれ。1970年防衛大学校卒、米海軍兵学校交換教官、ゆうぐも艦長、スタンフォード大学国際安全保障軍備管理研究所客員研究員、米国防大学卒(国家資源戦略修士取得)、第1・64護衛隊司令、在米日本大使館国防武官、統合幕僚学校長を経て情報本部長(約3年)、ジョンズ・ホプキンズ大学高等国際問題研究大学院博士課程終了(国際関係論博士取得)、2005年定年退官(海将)。防衛大学校教授兼政策研究大学院大学安全保障・国際問題博士課程連携教授、2013年第二の定年退官。現在国家基本問題研究所企画委員。 著書に『同盟国としての米国』など。