〈クルーズ船隔離1〉
青木理氏:この豪華客船(ダイヤモンド・プリンセス)は、ある種、隔離をするためには、されるほうも最適と言ったらあれだが、環境としては食料を補給すればそれなりに対応できる。
羽鳥慎一氏:乗っている方も安心なのかもしれないと(2月4日)。
テキトーで不公正な「コロナの女王」
〈クルーズ船隔離2〉
羽鳥慎一氏:サイエンス的には、帰さないで船の上にいたほうがいいということですね。
岡田晴恵氏:(航空機の)帰国者と同じようにやる(隔離する)ことが必要だ(2月4日)。
【注釈】以上は、この時点における青木氏と岡田氏のクルーズ船に対する認識です。のちに青木氏は、クルーズ船での隔離を人権侵害であるかのように批判し、岡田氏は早く降ろしたほうがいいと主張することになります。常に無謬であるかのように振る舞って、他者にネチネチとお説教するワイドショーの出演者ですが、その認識は本当にテキトーです。
〈政府陰謀論〉
玉川徹氏:ここまで後手後手が続くと、別の理由が考えつく。「後手後手になっているのは、政府が一気に強制力を持っていろんなことができないせいだ。だから緊急事態条項が憲法改正で必要だ」という世論の盛り上がりを待っている(2月11日)。
【注釈】政府の対応が後手後手なのは、緊急事態条項の必要性をアピールするためとする陰謀論を展開する玉川氏です。陰謀論は証明を必要としないため、根拠なく他者を貶めることができます。つまり、全く意味がない誹謗中傷に他なりません。
〈クルーズ船下船〉
岡田晴恵氏:医療を確保するために検疫も大事だが、あと1週間したら亡くなる方も出てくる可能性がある。なかではレントゲンもないし、CTもない。聴診だけでは医療の確保がいかがなものか。
私は、救命ということで、一度下船させて病院に行かせるとか、医療確保を検討する時期ではないかと。それはサイエンスとしては間違っていると思うが。
玉川徹氏:下船させることが必要ではないか。以前言っていたことと変えなきゃいけないと思うが(2月12日)。
【注釈】「船での隔離は効果的」と主張していた岡田氏が自説を真逆に翻して、早く下船させたほうがいいと主張を変えました。玉川氏も同様です。他人には先読みを求めて罵倒する一方で、自分はテキトーに前言を翻すこの人たちは、不公正であると同時に保身に長けています。
〈希望者全員PCR検査〉
玉川徹氏:軽症かどうかもわからない。感染しているかどうかわからなかったら、自分が軽症者かどうかもわからない。だから、PCR検査を希望者全員が受けられるような態勢を早急に構築することが全ての基本だ(2月14日)。
【注釈】この頃から、玉川氏は執拗にPCR検査をするよう番組を通して政府に要求するようになります。新型肺炎のPCR検査は感度40%、特異度90%という特性を持ち、これを医師のスクリーニングなく行えば、陽性となる事前確率が小さくなるため、大量の偽陽性を出すと同時に、何人もの陽性患者に偽陰性のお墨付きを与えてしまいます。
その結果、偽陽性の被検者は武漢や北イタリアで起きたような医療崩壊を起こす原因となり、偽陰性の陽性患者はウイルスをまき散らすことになります。
PCR検査は、あくまでも医師から陽性となる事前確率が高いとスクリーニングされた患者に対する確定のための検査です。希望者全員が受けられるようにするというのは、PCR検査の目的と限界を理解していない愚の骨頂です。
〈クルーズ船感染率〉
岡田晴恵氏:チェックをしないでほっぽっておいたから、クルーズ船がこれだけの感染率になった(2月18日)。
【注釈】感染研の疫学調査の結果、内部の感染は2月3日にクルーズ船が横浜に入港する前に発生していたものであり、乗客を自室に留めた日本政府の対応は有効であったことが判明しています。WHOも対応を評価しています。岡田氏の主張は、明らかに誤りです。
〈政府の危機感〉
玉川徹氏:危機感が感じられない。もう1カ月以上ずっと言っているが、どこかで改めてもらいたいと思っていたが、政府には未だに危機感がない(2月20日)。
【注釈】1月21日に、「春節、中国人観光客に人気がある観光スポット」なるオチャラケ企画で大笑いしていた玉川氏の言葉とは思えません。聞いて呆れます。