LINEは一時間未満の使用でも影響あり
調査結果からは、学力の低い子ほどスマホを使いたがるのではないか、という仮説も成り立ちます。それを検証するために、翌2014年から子供たちの成長を3年間、追跡調査しました。
すると、成績のよかった子供がその後、スマホを持ち始めると成績が下がり始め、逆にスマホの使用をやめた、あるいは1時間未満にした子供は成績が上がったのです。
ただ、スマホの長時間使用が習慣化してしまっていた子供に関しては、いきなり使用を制限しても、1年で成績は若干しか上がりませんでした。スマホ依存が深刻な子供は、回復に時間がかかるようです。
これらの結果から、スマホの子供に与える影響は直接的なものであることが明確になりました。
最初の調査では、LINEアプリを使用している子供の成績の下がり方が著しいこともわかりました。先述したように、スマホは1時間未満であれば平均点は上がりますが(1時間未満の使用で抑えることができるということは、時間を自分でマネジメントする能力があると考えられます)、LINEなど通信アプリに関しては、1時間未満でも影響が見られた。30分でも使えば、各教科の平均点が下がっていくのです。
教科別に見ていくと、1時間LINEを使用するごとに国語2・5点、数学4・8点、理科4・1点、社会は3・8点下がります。なぜLINEは、1時間未満でも影響があるのか。既読マークの表示や通知音が頻繁に鳴るたびに相手の反応が気になってしまい、勉強の集中力や注意力を低下させることが考えられますが、それだけでは説明がつかないことが多く、今後、継続調査が必要でしょう。