膳場氏も谷口氏も、殺傷能力のある武器を同盟国・同志国に売ることが日本の平和主義に反するという視野狭窄の考え方を根本から問い直す必要があると考えます。
民主主義国家の法律には、国家権力と国民を従わせる【法的拘束力 legally binding】があります。この法的拘束力を機能させているのが、法律に基づいて法律を強制執行する国家の【暴力装置(実力組織) monopoly on violence】である【警察 police】です。民主主義国家においては、この法体系によって【法の支配 rule of law】が行われています。
このような法的拘束力がある【国家の法律 national law】とは異なり、国際社会の法律である【国際法 international law】には、万能な法的拘束力はありません。なぜなら、国際法に基づいて国際法を強制執行する暴力装置が存在しないからです。国際法の法的拘束力は国家間の合意があってはじめて機能します。
残念ながら【国際連合 United Nations】は政府でも議会ではなく、【国際司法裁判所 international court of justice】も紛争国間の同意がなければ裁判を執行することはできません。
このため、世界の秩序を守るには、価値観を共有する同盟国・同志国が【軍事 military】を連携させて強制力とすることで、侵略を画策する専制国家と対峙する必要があります。
ちなみに、専制国家の法律にも法的拘束力はありますが、これは国家権力である専制支配者が国民を拘束するものであって、国家権力を拘束するものではありません。
この法体系は【法による支配 rule by law】と呼ばれ、民主主義国家の【法の支配rule of law】とは本質的に異なるものです。ここに決定的な価値観の違いがあるのです。
日本国憲法は武器輸出を禁じていない
このような背景の下、日本の武器輸出は同盟国・同志国の抑止力を大きく高める可能性があります。その筆頭はハイテクな護衛艦や潜水艦であると考えられています。
4月18日、三菱重工は、豪州政府と三菱重工業株式会社は、豪州の次期汎用フリゲートプログラムにおいて、「もがみ」型護衛艦の能力向上型3隻の建造契約を締結したことを発表しました。三菱重工は、この「もがみ」型護衛艦を長崎造船所で建造することになっています。
またこの日、小泉進次郎防衛大臣は、オーストラリアのメルボルンでマールズ副首相兼国防相とこの件について会談しました。ステルス性能をもつ「もがみ」型護衛艦には高い殺傷能力がありますが、オーストラリアが本艦を他国の侵略に用いることは考えられません。

