防衛省と防衛装備庁
日本には特定秘密情報保護法で指定された「特秘」(特定秘密)がある。
「特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施に関し統一的な運用を図るための基準の策定について 」
海上自衛隊艦艇のCIC(戦闘指揮所)での特定秘密情報保護法違反は、「特秘」の資格を持たない隊員がCIC内で勤務していたために起こった。だが、今回の問題は防衛省と防衛装備庁にまたがる人事異動が引き金になっている。もともと「特秘」の資格を持つ防衛省の自衛隊員が防衛装備庁に異動になった際に、その資格を引き継ぐための政令が制定されていなかったために起きたものだ。
警察庁は、都道府県警察という別組織に行っても、その適正評価が引き継がれるという規定がすでに書き加えられていたが、防衛省と防衛装備庁間にはまだその文言が書き加えられていなかったために発生したのである。
防衛装備庁は防衛省の外局として設置された行政機関で、防衛装備品に関する研究開発や調達、補給、管理、国際協力などを担当している。防衛装備庁の場所も市ヶ谷の防衛省内部にある。しかし、組織としては防衛装備庁という別の省庁であることがこの事件が起きた大きな原因だった。
正確に言うと、防衛省→防衛装備庁のタイミングでは、防衛装備庁がきちんと特定秘密取り扱いの手続きをやっていたが、防衛装備庁から防衛省に戻るタイミングでもう1回、「特秘」に関する手続きが必要になるということがあまり知られていなかったことで発生した問題である。手続き不備の間に「特秘」に触れたことが今回、指摘されたのだ。
【防衛装備庁発足(1)】防衛装備の海外移転で中国封じ込め 太平洋の安全保障に力こぶ 民間各社も海外展開前のめり
https://www.sankei.com/article/20151005-TOENX44S2RJ4PC6OZUBUHLGHGQ/防衛省の外局、防衛装備庁が1日発足した。これを機に防衛装備の国際化に向けた政府と関連産業の取り組みが一段と加速する。政府は、急速な軍事力拡大を背景に海洋進出…