憲法改正がまた振出しに
今後、与党が過半数割れする中、補正予算や来年度予算、各種法案はどうやって成立させていくのか。過半数に12議席足りない中、参政党は政策により協力する可能性を表明しているが、参政党の3議席を足しても9議席足りない。となると、やはり28議席の国民民主党に協力を依頼することが重要となってくる。
岸田政権下においても国民民主党は予算案に賛成するなど、両党がより強く連携する可能性があったが、最終的に岸田総理が国民民主が求めていたガソリンのトリガー条項の凍結解除を決断しなかったことから、連携はご破算になっている。今回はより慎重に国民民主党と政策のすり合わせをして、予算案での賛成を得ていかなくてはならない。野党の全てが予算案に反対すれば、野党多数のため予算案は通らない。これまでの与党圧倒的優位の状況は完全にひっくり返った。
そして、今回の衆院選の結果、憲法改正賛成勢力が3分の2を割り込んでしまった。ここまで一歩一歩積み上げてきた憲法改正はまた振出しに戻ってしまった。
我が党は結党の原点に立ち返って出直しをしなければならない。私はいま我が党がすべきことは、積極財政による経済成長路線の安倍政権の政策への回帰であり、安倍政権が成し得なかった国家課題を着実に改善していくことである。アベノミクスはまだ完遂に至っていない。成長戦略とGDPの拡大、賃金上昇、我が国をもっと輝く国にすることは必ずできる。
国防や外交においてもそうである。党改革、政治改革を行い、国家国民のための政策が何であるのか、我が党はもう一度しっかり整理をし直し、再生のための政策を打ち出していくべきである。
著者略歴
1974年、東京生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業(日本外交史)。1997年、アナウンサーとしてNHKへ入局。新潟局、帯広放送局、大阪放送局を経て、2009年7月より仙台放送局に勤務。東日本大震災の報道や取材に携わる。2013年、第23回参議院議員選挙において、宮城県選挙区で初当選。2019年、全国比例区で再選。