今回ありがちな「開会式が素晴らしかった」「開会式はひどかった」というコメントはいずれも個人の認識であり、根拠を述べない限り言論ではありません。松原氏がジャーナリストを自称するのであれば、自明でないものの認識を語る場合には根拠を示して発言することが必要です。
何よりも、五輪が掲げる理想とIOCの実態の乖離を問題視するヒマがあったら、五輪を商業利用すると同時に政治利用している『サンデーモーニング』の自己矛盾を検証する方が先だと思います。
過去の報道を検証をしてみましょう
ただ、どうせ自己批判能力のない『サンデーモーニング』に自己検証などできないでしょうから、以下、私が代わりに検証させていただきたいと思います。
2012/08/29「風をよむ」ナショナリズム(ロンドン五輪)
橋谷能理子アナ:幕を下ろしたロンドン五輪、華やかな祭典の陰に厳しい現実が顔をのぞかせました。女性選手の活躍を評論家の佐高信さんは…
佐高信氏:戦争に負けて男が自信を失って復興させたのは女の力だ。それと同じ感じが今、経済とか何とかが男が主導してめちゃめちゃになった。だからこれから男が退いて女が前面に出てやっていった方がいいだろうというのを鮮明にした五輪だった。
橋谷能理子アナ:この大会で日本が獲得したメダルの数は史上最多の38個。こうした成果の背景には選手育成に向けて補助金を投入するなど国の強化策がありました。国際大会での好成績で国の威信を保とうとする意図が伺われます。激しい興奮や熱狂を生むスポーツは国威発揚に利用されやすく、ともすれば過激なナショナリズムに繋がる危険性があることは過去のスポーツの歴史を見ても明らかです。
目加田説子氏:国の経済力がそのままメダルの数に反映されている。途上国は益々落ちこぼれる。
メダル数を数えて視聴者のナショナリズムを煽る一方で、そのナショナリズムを批判するという矛盾だらけの自作自演番組『サンデーモーニング』です。
ちなみに、佐高氏の時代錯誤のジェンダー発言にはゾッとします(笑)。