「反日番組」も喜ぶ日本人のメダル獲得
2024年7月20日の『サンデーモーニング』は、開幕したパリ五輪の柔道で日本人選手がメダルを獲ったことをトップニュースにしました。
膳場貴子氏:日本時間の昨日からパリ五輪が始まりましたが、日本で早速新しいメダル2つのニュースが入っています。それでは、金メダルに輝いた柔道女子の試合から。
アナ:パリ五輪、柔道女子48kg級で角田夏実選手が今大会日本勢初の金メダルに輝きました。20年ぶりの快挙です。
松原耕二氏:48kg級って日本のお家芸だと思い込んでいた。20年ぶりなんですね。
谷亮子氏:私も君が代が聴けて光栄でした。
アナ:柔道男子60kg級、永山が銅メダルを獲得、日本にとって角田に続く2つ目のメダルとなりました。
上原浩治氏:準々決勝の判定は、日本人びいきとしては「それはねー」というのがあるんで…
「反日番組」と呼ばれる『サンデーモーニング』ですが、五輪期間においては、日本人選手のメダル獲得のニュースを何よりも優先して肯定的に報じてきました。それは、そのような報道を日本人が欲するからに他なりません。
人間には、自分と距離が近い人を好きになる【近接性バイアス proximity bias】、自分と属性や境遇が類似する人を好きになる【類似性バイアス affinity bias】、自分と接触機会が多い人を好きになる【熟知性バイアス Zajonc effect】といった認知バイアスがあります。日本人が、日本人選手に注目したり・応援したりするのはこのためです。松原氏、谷氏、上原氏のコメントは極めて自然な反応と言えます。
しかしながら、『サンデーモーニング』は、番組後半の「風をよむ」では、トップニュースと真逆にこのような自然な反応を徹底的に問題視したのです。