「ニュー岸田」で解散・総選挙へ
そして、岸田総理の大きな変化は、今回の経済対策の減税部分について直前まで詳細を明らかにせず、自ら会見で表明したことである。発表当日の25日の朝刊で読売新聞が「経済対策の骨子案判明」と記事にしていたが、減税の具体的内容のうち欠落している部分があった。
夕方の記者会見での発表直前まで詰めの作業が行われていたということであり、それは岸田総理が主導したと言える。早い段階で今回の経済対策の内容が漏れていれば、財務省などの反発により内容が後退したことも考えられる。
岸田総理の賃上げの意志がさらに強くなっていることも大きな変化である。首相補佐官に国民民主党出身で、労組出身である矢田稚子氏を起用し、賃上げ政策立案のための視察に同行させるなどしている。
このように、これまでの岸田政権にはない思い切った経済対策を打ち出す姿勢が示されたことから、解散・総選挙が近いのではないかとの声が聞かれる。解散は総理の専権事項であるが、私はしっかりとした中身が伴うのであれば、今回の経済対策は岸田政権の政策の転換、大幅引き上げであり、国民に信を問うてよいと思う。
本当に経済対策の内容を充実できるのであれば、「ニュー岸田」であり、その政策を国民に問い、支持を得れば財務省等が何を言おうと強力に政策を推進をすることができる。
アベノミクス以来の目標は、2%の物価安定目標を実現することである。これが実現できれば、安定的な物価上昇と所得向上、賃上げが持続し、国民の暮らしは毎年良くなっていく。そのためにも、現在の需給ギャップを見れば、15兆円~20兆円の真水での直接的な財政出動が必要である。このような経済対策にしなければならないし、なるのであればかなり期待が持てる。
実現か失望か、岸田政権として強く舵を切れるかの一番の正念場である。私は国民生活の向上ために減税をはじめとした経済対策を必ず実現させたいと思う。