イーロン・マスクが激奨する38歳の米大統領選候補者とは何者か|石井陽子

イーロン・マスクが激奨する38歳の米大統領選候補者とは何者か|石井陽子

米史上最年少の共和党大統領候補者にいま全米の注目が注がれている。ビべック・ラマスワミ氏、38歳。彼はなぜこれほどまでに米国民を惹きつけるのか。政治のアウトサイダーが米大統領に就任するという「トランプの再来」はなるか。


現在、世論調査を見てみると、言うまでもなくトランプの支持率が圧倒的に高い。しかし、同時にFOXニュースによると、共和党支持者は現状MAGAベース(主にトランプだが、ラマスワミも含まれる)が37%だが、『意見を変えられそうな人』が37%、トランプ不支持も25%となっている。トランプが民主党側の選挙介入により司法を使って攻撃される中、それが吉と出るか凶と出るかは現段階では何とも言えないが、ラマスワミには2016年大統領選時のトランプ氏のように、アウトサイダーならではの強さがあるのを再度強調しておきたい。

今回の大統領は無理でも、副大統領ならあり得るのではないか、寧ろトランプを立てている点を踏まえるとそれを狙っているのではないかという見方も出来る。副大統領候補としては、保守派からは米中間選挙においてアリゾナ州知事選に出馬したカリ・レイク氏への期待も高い。だが、共和党支持者の中でトランプやその周りを巡って意見が分かれている点にも注意したい。

ラマスワミに対しては「若過ぎるから次回まで待て」という声も多いが、アメリカ国内では、高齢のバイデン疲れや、前回の大統領選の繰り返しへの拒絶感も見られる。

イーロン・マスク「ビべック(ラマスワミ)はますます有力候補になりつつある」

Getty logo

トランプの裁判の行方も気になるところだ。様々な側面を持つ米大統領選はまだまだこれからだが、日本がトランプ政権誕生を見極められずに十分備えられていなかった過去を踏まえると、ラマスワミの動向についてもきちんと今から精査しておかなければと思う。

これから討論会が重ねられるごとにラマスワミへの支持は増えていくのではないかと私は予想している。実際の予備選挙が始まるのはまだ来年のことだが、ラマスワミには注目しておいてほしい。2016年大統領選挙におけるトランプ大統領誕生の折に私は、「まさかの衝撃に備えよ」と題して同年2月にはトランプ当選の可能性について公に論文を発表した。アメリカ国内の空気感を伝えたかったからだ。この時点でトランプ当選の可能性について日本で公的に出ていたものを私は知らない。そしてトランプを非常に強く応援した。今回のラマスワミにも同じような空気感があることを感じている。

3月にYouTubeのアメリカ人視聴者から教えてもらって以来、ラマスワミには注目してきた。私の視聴者は圧倒的にトランプ支持者ばかりなのだが、その人たちの中でも、ラマスワミは好意的にずっと話題になっている。そして、ここにきて既に頭角を現し始めている。

イーロン・マスクが何度もラマスワミを称賛してポストしている。8月19日にはこう投稿した。

「ビべック(ラマスワミ)はますます有力候補になりつつある」

石井陽子

https://hanada-plus.jp/articles/1387

1985年福岡県生まれ。フリーチベット福岡代表。ランダムヨーコとして知られている。関西外国語大学英米語学科卒業。政治と歴史に関するYouTubeチャンネル「randomyoko2」の登録者数は5万人を超え、800万回以上視聴されている。著書に『新・愛国論』(桜の花出版)。英語での論文がジャパン・フォワードに掲載されている他、Foxニュース、CNN、BBC、CBS、ラジオ・フリー・アジア、サウスチャイナ・モーニングポスト、ブライトバート、チベットテレビなどの多数の英語メディアにおいて、日本人コメンテーターとして発言が紹介されている。夫は石井英俊(自由インド太平洋連盟 副会長)。

関連する投稿


日本人宇宙飛行士、月に行く|和田政宗

日本人宇宙飛行士、月に行く|和田政宗

今年の政治における最大のニュースは、10月の衆院選での与党過半数割れであると思う。自民党にとって厳しい結果であるばかりか、これによる日本の政治の先行きへの不安や、日本の昨年の名目GDPが世界第4位に落ちたことから、経済面においても日本の将来に悲観的な観測をお持ちの方がいらっしゃると思う。「先行きは暗い」とおっしゃる方も多くいる。一方で、今年決定したことの中では、将来の日本にとても希望が持てるものが含まれている――。


トランプ再登板、政府与党がやるべきこと|和田政宗

トランプ再登板、政府与党がやるべきこと|和田政宗

米国大統領選はトランプ氏が圧勝した。米国民は実行力があるのはトランプ氏だと軍配を上げたのである。では、トランプ氏の当選で、我が国はどのような影響を受け、どのような対応を取るべきなのか。


新総理総裁が直ちにすべきこと|島田洋一

新総理総裁が直ちにすべきこと|島田洋一

とるべき財政政策とエネルギー政策を、アメリカの動きを参照しつつ検討する。自民党総裁候補者たちは「世界の潮流」を本当に理解しているのだろうか?


トランプの真意とハリスの本性|【ほぼトラ通信4】石井陽子

トランプの真意とハリスの本性|【ほぼトラ通信4】石井陽子

「交渉のプロ」トランプの政治を“専門家”もメディアも全く理解できていない。トランプの「株価暴落」「カマラ・クラッシュ」予言が的中!狂人を装うトランプの真意とは? そして、カマラ・ハリスの本当の恐ろしさを誰も伝えていない。


慰安婦問題を糾弾する「日韓共同シンポジウム」の衝撃(東京開催)|松木國俊

慰安婦問題を糾弾する「日韓共同シンポジウム」の衝撃(東京開催)|松木國俊

日米韓の慰安婦問題研究者が東京に大集合。日本国の名誉と共に東アジアの安全保障にかかわる極めて重大なテーマ、慰安婦問題の完全解決に至る道筋を多角的に明らかにする!シンポジウムの模様を登壇者の一人である松木國俊氏が完全レポート、一挙大公開。これを読めば慰安婦の真実が全て分かる!


最新の投稿


イーロン・マスクの「裏の外交」|長谷川幸洋【2025年4月号】

イーロン・マスクの「裏の外交」|長谷川幸洋【2025年4月号】

月刊Hanada2025年4月号に掲載の『イーロン・マスクの「裏の外交」|長谷川幸洋【2025年4月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


安倍総理暗殺「追及すると政治的に抹殺されるよ」【高鳥修一】

安倍総理暗殺「追及すると政治的に抹殺されるよ」【高鳥修一】

月刊Hanada 公式YouTubeチャンネルに投稿した『安倍総理暗殺「追及すると政治的に抹殺されるよ」【高鳥修一】』の内容をAIを使って要約・紹介。


103万円の壁を上げ、年収増の実感を|玉木雄一郎×櫻井よしこ【2025年1月号】

103万円の壁を上げ、年収増の実感を|玉木雄一郎×櫻井よしこ【2025年1月号】

月刊Hanada2025年1月号に掲載の『103万円の壁を上げ、年収増の実感を|玉木雄一郎×櫻井よしこ【2025年1月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


【新連載】若き仲間たちへ①失敗と贈る言葉|高市早苗【2025年4月号】

【新連載】若き仲間たちへ①失敗と贈る言葉|高市早苗【2025年4月号】

月刊Hanada2025年4月号に掲載の『【新連載】若き仲間たちへ①失敗と贈る言葉|高市早苗【2025年4月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。


フジテレビ10時間会見〝ジャーナリスト〟たちの暴走 金平、望月、横田……|藤原かずえ【2025年4月号】

フジテレビ10時間会見〝ジャーナリスト〟たちの暴走 金平、望月、横田……|藤原かずえ【2025年4月号】

月刊Hanada2025年4月号に掲載の『フジテレビ10時間会見〝ジャーナリスト〟たちの暴走 金平、望月、横田……|藤原かずえ【2025年4月号】』の内容をAIを使って要約・紹介。