共和国スタイルを捨てる日は来るか
国を閉ざし、北朝鮮的ポリコレを徹底するとは言っても、隣国から流入してくるエンタメの影響を完全に排除するのは至難の業なのだろう。「韓国よりも優れた作品を」「外貨獲得の一手段」という北朝鮮の方針に基づいて、今後は〝共アニ〟だけでなく、朝流ドラマ(共流? 北韓流?)や、N‐POPが登場するかもしれない。
かねて北朝鮮の美女を集めたモランボン楽団は日本でも注目を集めてきたが、よりグローバルに「売れる」展開を見せる可能性はないか。
本書の表紙イラストを眺めていると、今は貫禄第一といった様子の金正恩総書記も「共和国スタイル」を捨て、痩せて前髪を下ろし、化粧を施す「韓流アイドル路線」を取る未来さえ夢想してしまうのだ。
ライター・編集者。1980年埼玉県生まれ。月刊『WiLL』、月刊『Hanada』編集部を経てフリー。雑誌、ウェブでインタビュー記事などの取材・執筆のほか、書籍の編集・構成などを手掛ける。