「政党は、政治上の信条、意見等を共通にする者が任意に結成する政治結社であって、内部的には、通常、自律的規範を有し、その成員である党員に対して政治的忠誠を要求したり、一定の統制を施すなどの自治権能を有するものであり、国民がその政治的意思を国政に反映させ実現させるための最も有効な媒体であって、議会制民主主義を支える上においてきわめて重要な存在であるということができる」
国民の意志を反映させる媒体が政党であるならば、その政党の言動が国民に注目され、ときに批判にさらされることは当然であり、それこそが民主主義を支えているのだということに志位共産党はまったく気づこうとしない。
共産党リンチ事件、宮本顕治のトンデモ言い訳
志位氏が「松竹氏は、自らの自由な意思で、わが党の綱領および規約を認めて入党しました」とことさらに強調していることにも言及しておこう。
先にも触れた「共産党リンチ事件」(1933年12月) はスパイの疑いをかけられた党幹部二人が、宮本顕治や袴田里見ら、他の党幹部らに手足を縛られ押入れに監禁されたうえ、「査問」と称するリンチを加え、自白を強要した暴力事件だ。一人が亡くなり、民家の床下に埋められた状態で遺体が発見されている。
主犯として逮捕、起訴され有罪となった宮本顕治は、公判の中で「正当防衛」による無罪を主張し、こんなことを言っている。
「制縛して査問会の秩序を維持する事は已むを得ざるものであり正々堂々たる方針である」
「彼等といえども入党に際しては党規約に無条件服従を約しているのである。したがって党の決定により、査問される以上たとい制縛されても異議ある筈はなく、当然承諾による行為であるゆえに何等不法の行為ではないのである」
「党員は無条件服従の党規を承認して入党しているのでありますから、たとい彼等を党の決定に基づいて一定場所に留置してもその意に反して監禁したものとは言わず、しがって不法監禁にあらず」
これら宮本顕治の言葉を、今の志位氏の除名正当化の主張と重ねてみてほしい。共産党の規約=オキテの恐ろしさがわかるだろう。