「静かなる有事」への備えを急げ|織田邦男

「静かなる有事」への備えを急げ|織田邦男

防衛研究所の「中国安全保障レポート2023」や米国防総省の年次報告書でも中国が米国中心の国際秩序への挑戦を強めているという認識で一致している。中国の海上民兵と海警の活動状況は、特に日本にとって深刻である。認知戦、影響力工作、そしてグレーゾーン事態など、「静かなる有事」は既に始まっている。


日本の場合、警察権の行使しかできない海上保安庁では、武力行使が可能な海警に歯が立たない。同時に、数に任せた海上民兵の行動にはお手上げである。これだけみても日本は海上におけるグレーゾーン事態では戦わずして負けている。

台湾有事は日本有事であり、これに備えなければならないのは言うまでもない。だが、備えるべきは「見える有事」だけではない。認知戦、影響力工作、そしてグレーゾーン事態など、「静かなる有事」は既に始まっている。これを認識し、適切に対応することが喫緊の課題である。(2022.12.05国家基本問題研究所「今週の直言」より転載)

織田邦男

https://hanada-plus.jp/articles/1099

麗澤大学特別教授、元空将。1974年、防衛大学校卒業、航空自衛隊入隊、F4戦闘機パイロットを経て、83年、米空軍大学留学、90年、第三〇一飛行隊長、92年、スタンフォード大学客員研究員、九九年、第六航空団司令などを経て、2005年空将。06年、航空支援集団司令官(兼ねてイラク派遣航空部隊指揮官)、09年、航空自衛隊退官。その後、東洋学園大学客員教授、国家戦略研究所所長などを経て、現職。

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