現地視察すら妨害する自民党の一部勢力
岩国の現地視察を巡っては、不可思議なことがいくつか起きた。
私が4月に「Hanadaプラス」で上海電力問題の記事を配信して以降、岩国市のメガソーラーの現状取材を希望する政治家やジャーナリストが次々と現地入りした。
ところが、この現地取材やその後の調査・発信について、様々なルートで様々な妨害が入った。そして大阪の咲洲メガソーラーに関連する私の記事や発信に対する批判や非難、誹謗中傷の多くに、日本維新の会関係者や支持者が関与していることがわかった。
ところが岩国市など大阪以外の上海電力の絡むメガソーラー取材に対して様々な圧力をかけてきたのは、維新関係者や支持者ではなく、明らかに自民党の関係者だった。
二階俊博前幹事長を絶賛する橋下徹氏
旧統一教会問題が国会や大手メディアで延々と扱われていた10月18日、自民党の二階俊博前幹事長と、日本維新の会の馬場伸幸代表が、都内の中華料理屋の個室で向き合った。
同席したのはそれぞれの側近である自民党の林幹雄元経産大臣と維新の遠藤敬国対委員長だ。この会合で配られたのは「大阪万博に関する超党派議連を早急に開催すること」と強調されていた。
この他にも維新が力点を置いている淀川の活用方法など大阪府や大阪市に特化したテーマについても具体的に話し合われたという。
二階氏といえば、林芳正外務大臣と並ぶ自民党の親中派の両巨頭だ。中でも二階氏は上海と上海閥のドンである江沢民との関係の深さで知られている。二階氏の親中派ぶりが最初に広く知られるようになったのは、運輸大臣を務めていた2000年、5000人もの訪問団を率いて北京に乗り込んだ。当時国家主席だった江沢民は非常に驚き、「二階俊博とは何者なんだ」と二階氏に関する調査を側近に命じたという。
この2年後、二階氏の地元である和歌山県田辺市で江沢民の石碑を建立する計画が市役所に持ち込まれた。この運動の旗振り役となったのは「和歌山県日中友好交流推進協議会」であり、運輸大臣や経産大臣を歴任した二階氏の強い影響下にあった団体だ。
そして上海電力が2014年、大阪市の咲洲メガソーラーの入札をすり抜けて「ステルス参入」した際に市長を務めていた橋下徹氏は二階氏の親中ぶりについて「日中のパイプ役」として擁護し絶賛し続けている。
上海という土地、上海閥という人脈、上海電力という企業を媒介として、日本維新の会と自民党が水面下でつながりを加速度的に深めている。そして、上海電力のメガソーラー事業は、日本と中国、大阪と上海を結ぶ政財官のコネクションを見事に炙り出している。