東京新聞スクープによって生まれた防衛の空白
2019年4月1日、宮古島駐屯地内で作られていた保管庫が弾薬庫であると東京新聞がスクープ。この結果、4月2日、当時の岩屋防衛大臣が謝罪会見し、宮古島外に弾薬を運びだすことになった。この後、宮古島で2021年4月1日に新弾薬庫が完成し共用されるまで、宮古島駐屯地は陸上自衛隊の部隊は存在するが弾薬がない状態だった。
このスクープで2年間の宮古島防衛の空白時間ができてしまったのだ。これには市民団体の基地周辺の写真撮影、ドローンでの空撮が大きな役割を果たした。日本では防衛機密よりも、情報の透明性や基地建造計画の整合性が問題となる。
日本政府は危機感が乏しく、自衛隊基地周辺の撮影の脅威を自覚していない。おおらかに撮影された動画や写真を分析する諸外国の諜報機関は嘲笑っているだろう。
米国は中国スパイ狩りを一斉に行い、工作員と繋がる13人を特定したという報告書を7月に公表した。中国からも北朝鮮からもミサイルが飛んでくる今、いつまでおおらかに自衛隊の情報を撮影させ続けるのだろうか。台湾有事は宮古島八重山諸島を巻き込むかもしれない。
国防の要である空母改修や潜水艦基地の情報がどんな形で大きなダメージをもたらすか不安でならない。