安倍元総理の遺志を完全に無視した岸田人事|山口敬之【WEB連載第14回】

安倍元総理の遺志を完全に無視した岸田人事|山口敬之【WEB連載第14回】

私は今回の人事に「大いなる異変」を見てとる。「優柔不断から唯我独尊へ」。安倍晋三元総理という重石から解放された岸田文雄という政治家が、その本性を剥き出しにした「岸田の岸田による岸田のための政治」の始まりである――。 (サムネイルは首相官邸HPより)


岸氏はこうした案件については極めて慎重なタイプで、軽々しくツイートやリツイートを連発するような人物ではない。そして、米軍のみならずアメリカ政界に広範な人脈を持っていることで知られている。

中国に何らかの経緯で弱みを握られている人物が外務大臣を務めているとしたら、それはとんでもないことである。

統一教会系の団体との関係を噂されたという理由で閣僚を更迭される人がいるのであれば、林外相こそ最初に更迭されるべきである。

最期の願いすら踏み躙った岸田総理

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高市早苗政調会長の続投と、林芳正外相の交代。参院選後の人事で安倍元総理が最も期待していたのがこの2つの人事だった。

そしてそのことを一番よく知っていたのが他ならぬ岸田総理だった。ところが、安倍元総理の49日も明けないうちに人事を強行した岸田総理は、高市氏は政調会長から外し、林氏は続投させた。最後まで岸田総理に配慮した安倍元総理の、最期の願いすら踏み躙ったのだ。

日程を大幅に前倒ししたのも、人事のスタイルを旧態然とした「派閥均衡型」「事前告知型」に戻したのも、岸田総理の独断だ。

安倍晋三という重石が取れた岸田文雄は暴走を始めた。そこには「聞く力」「優柔不断」の面影はない。「聞かない力」「唯我独尊」という岸田政治の幕開けである。

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