【橋下徹研究⑫】橋下徹がついた致命的なウソ|山口敬之【WEB連載第13回】

【橋下徹研究⑫】橋下徹がついた致命的なウソ|山口敬之【WEB連載第13回】

橋下徹氏は、上海電力のステルス参入問題について、繰り返しウソをつき続けている――。にもかかわらず、7月26日、橋下氏はツイッターでこう吠えた。「月刊ハナダよ、俺と上海電力を闇と言うなら、安倍さんを含む自民党と旧統一教会も闇だと言えよ。人を見て主張を変えるアンフェアの典型やな。近々フェアの思考という本を出すから、それでフェアについて勉強しろ」。フェアでないのは橋下氏のほうだ!(詳細は26日発売の9月号をお読みください!)


「咲洲地区スマートコミュニティ実証実験」

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当時大阪市が咲洲で行なっていたのは、近未来の都市のエネルギーのあり方を実証的に実験するという極めて先進的な取り組みだった。これについては、6月10日の大阪市議会で大阪市環境局の担当者が詳細に答弁した。

前回の拙稿でも指摘したが、この答弁には、橋下徹氏の数々のウソを粉砕する決定的な事実がいくつも提示されている。

大阪市環境局によれば、当時咲洲では
(1)2011年に策定された「大阪市経済成長戦略」に基づき、環境とエネルギーに関する一大プロジェクトが進められていた
(2)隣の夢洲ではメガソーラー、咲洲では「スマートコミュニティ実証実験」という棲み分けだった
(3)「実証実験」では、下水熱やバイオマス発電などの分散型エネルギーを活用し建物間でエネルギーをやり取りする技術の実証や検討を行った
と答弁した。

私が入手した「大阪市経済成長戦略」と「咲洲地区スマートコミュニティ実証実験」に関する資料には、環境局の答弁の内容がはっきりと明記されている。

夢洲ではメガソーラー事業をやると書いてあるが、咲洲では2011年3月まではメガソーラー計画はなかったことがわかる。その代わりに計画されていたのは「電気自動車普及拡大充電施設」と「分散型太陽光発電」だった。

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