【橋下徹研究⑨】「副市長案件」に潜む2つの巨大な闇|山口敬之【WEB連載第9回】

【橋下徹研究⑨】「副市長案件」に潜む2つの巨大な闇|山口敬之【WEB連載第9回】

橋下徹氏は「副市長案件」「問題ない」「花田らは完全に炎上商法」の立場だが、罵詈雑言のみでこちらの問いかけにはまったく答えていない。咲洲メガソーラーは、外形上は「月額55万円の市有地賃借契約」であり、通常なら「局長案件」だったはずだ。なぜ、「副市長案件」に格上げされたのか。


「副市長案件」という闇

インフラの安全についてまったく触れない松井氏らが、ここへきて繰り返し主張しているのが「副市長案件」「港湾局長決裁」という2つの単語である。

彼らが言いたいのは、「咲洲メガソーラーに関する決定は橋下徹市長ではなく、橋下市長によって副市長に抜擢された田中清剛氏が行った」ということのようである。

全ての決裁をしたのは当時の副市長・田中清剛氏であり、咲洲メガソーラー自体が「副市長案件」だったというわけだ。

田中清剛氏は建設局長を最後に2011年に大阪市職員を辞め、 2012年2月に橋下徹新市長が副市長に抜擢した時には、外郭団体「都市技術センター」に理事長として天下っていた、大阪市職員OBだった。

「天下り根絶」を掲げていた橋下氏が、天下りしたばかりのOBを副市長に抜擢したことで、当時は大いに物議を醸した。

そして田中氏はその後7年の長きにわたって副市長を務めたあと、2019年4月には吉村洋文知事によって、何と大阪府の副知事に大抜擢された。橋下氏や維新にとって「かけがえのない」特別な人材であることがわかる。

ここでもう一度、吉村知事のツイートを見てみよう。

関連する投稿


「子供1人生んだら1000万円」は、とても安い投資だ!|和田政宗

「子供1人生んだら1000万円」は、とても安い投資だ!|和田政宗

チマチマした少子化対策では、我が国の人口は将来半減する。1子あたり1000万円給付といった思い切った多子化政策を実現し、最低でも8000万人台の人口規模を維持せよ!(サムネイルは首相官邸HPより)


改正入管法で、不法滞在者を大幅に減らす!|和田政宗

改正入管法で、不法滞在者を大幅に減らす!|和田政宗

参院法務委員会筆頭理事として、改正入管法の早期施行を法務省に働きかけてきた。しかしながら、改正入管法成立前から私に対する事実無根の攻撃が始まった――。


硫黄島をはじめ多くのご英霊の力で、今の日本がある|和田政宗

硫黄島をはじめ多くのご英霊の力で、今の日本がある|和田政宗

先の大戦有数の大激戦である硫黄島の戦いで、日米両軍合わせて2万9千人が亡くなった。今回の訪問で、硫黄島で戦った方々がどのような状況で、どのような思いで戦ったのかを、まざまざと知ることができた。


「もしトラ」ではなく「トランプ大統領復帰」に備えよ!|和田政宗

「もしトラ」ではなく「トランプ大統領復帰」に備えよ!|和田政宗

トランプ前大統領の〝盟友〟、安倍晋三元総理大臣はもういない。「トランプ大統領復帰」で日本は、東アジアは、ウクライナは、中東は、どうなるのか?


いきなり示された自民党改革案 このままでは承服できない!|和田政宗

いきなり示された自民党改革案 このままでは承服できない!|和田政宗

3月6日、党改革案がいきなり示された――。自民党はすでに国民の信頼を失っており、党運動方針案に示したように「解体的出直し」をしなければ生き残れない。


最新の投稿


【今週のサンモニ】「サンモニ」の”恐喝”方法|藤原かずえ

【今週のサンモニ】「サンモニ」の”恐喝”方法|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


「子供1人生んだら1000万円」は、とても安い投資だ!|和田政宗

「子供1人生んだら1000万円」は、とても安い投資だ!|和田政宗

チマチマした少子化対策では、我が国の人口は将来半減する。1子あたり1000万円給付といった思い切った多子化政策を実現し、最低でも8000万人台の人口規模を維持せよ!(サムネイルは首相官邸HPより)


【読書亡羊】出会い系アプリの利用データが中国の諜報活動を有利にする理由とは  『トラフィッキング・データ――デジタル主権をめぐる米中の攻防』(日本経済新聞出版)

【読書亡羊】出会い系アプリの利用データが中国の諜報活動を有利にする理由とは 『トラフィッキング・データ――デジタル主権をめぐる米中の攻防』(日本経済新聞出版)

その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする時事書評!


【今週のサンモニ】岸田総理訪米を巡るアクロバティックな論点逃避|藤原かずえ

【今週のサンモニ】岸田総理訪米を巡るアクロバティックな論点逃避|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


わが日本保守党|広沢一郎(日本保守党事務局次長)

わが日本保守党|広沢一郎(日本保守党事務局次長)

昨今の政治状況が多くの日本人の心に危機感を抱かせ、「保守」の気持ちが高まっている。いま行動しなければ日本は失われた50年になってしまう。日本を豊かに、強くするため――縁の下の力持ち、日本保守党事務局次長、広沢一郎氏がはじめて綴った秘話に投票3日前の想いを緊急加筆。