ロシアが仕掛けた戦争と中国の思惑|和田政宗

ロシアが仕掛けた戦争と中国の思惑|和田政宗

ロシアによるウクライナに対する戦争が始まった――。各国がロシアを非難するなかで、中国は「安全保障に関するロシアの正当な懸念を理解している」と述べた。ロシアと中国は連携しているのか。中国の思惑はどこにあるのか。中国に「NO」と言える政治家、和田政宗議員が徹底解説!


2008年北京五輪の聖火ランナーを投獄

ウイグル人への弾圧はオリパラ開催下の現時点で進行しているのみならず、過去にオリンピックの聖火ランナーなどで関わった人達にも行われている。

米国連邦議会が出資する「自由アジア放送(RFA)」の報道によると、2008年の北京夏季五輪の際、聖火ランナーを務めたウイグル人男性のアディル・アブドゥレヒムさんが「反革命」的な動画を見たことを理由に懲役14年の刑を受けて収監されているとのことである。

また、同じく2008年の北京五輪で聖火ランナーを務めたウイグル人男性のカマルトゥルク・ヤルクンさんは、父親のヤルクン・ロジさんが2016年に逮捕され、今はアメリカに在住し、父の釈放を求め活動している。

ロジさんは「分離主義活動に従事した」という理由で2016年に逮捕され、2018年に国家政権転覆扇動罪で懲役15年の有罪判決を受けた。ロジさんは、文芸評論家かつ作家で、10年以上にわたって使用されてきたウイグル文学の教科書の編集を担当していたということで、息子のカマルトゥルク・ヤルクンさんは、「ウイグルの文化、言語、アイデンティティを維持しようという父の努力を潰すため、中国当局が逮捕し、投獄した」と語っている。

北京冬季五輪に参加したアスリートの責務

Getty logo

ヤルクンさんはツイッターで、北京冬季五輪前に五輪へのボイコットを呼びかけ、北京五輪の開催は、中国による大量虐殺を助長するだけだと発信した。ヤルクンさんは、このように訴えている。

「ウイグルに対する中国のすべての大量虐殺と侵害を踏まえれば、北京冬季五輪に参加することは、この悪夢を恒久化するのに役立つだけです。アスリートがオリンピックのステージを利用して、ウイグルに対する連帯と支援を表明してくれることを願っています」

悲痛な叫びであり、ヤルクンさんのツイッターでは、妹も動画で父親の解放を求めている。

我々は、二度と民族弾圧のもとプロパガンダとして行われるオリンピックを行なわせないとともに、中国国内のウイグル、チベット、南モンゴルの方々の自由の確立と独立、解放を支援していかなくてはならない。

こうした中国の覇権主義、ロシアのウクライナに対する侵略。我が国は自由主義陣営のリーダーとして国際社会と連携し、断固たる措置を取って行くべきである。

関連する投稿


【我慢の限界!】トラックの荷台で隊員を運ぶ、自衛隊の時代錯誤|小笠原理恵

【我慢の限界!】トラックの荷台で隊員を運ぶ、自衛隊の時代錯誤|小笠原理恵

米軍では最も高価で大切な装備は“軍人そのもの”だ。しかし、日本はどうであろうか。訓練や災害派遣で、自衛隊員たちは未だに荷物と一緒にトラックの荷台に乗せられている――。こんなことを一体、いつまで続けるつもりなのか。


ヨーロッパ激震!「ロシア滅亡」を呼びかけたハプスブルク家|石井英俊 

ヨーロッパ激震!「ロシア滅亡」を呼びかけたハプスブルク家|石井英俊 

ヨーロッパに君臨した屈指の名門当主が遂に声をあげた!もはや「ロシアの脱植民地化」が止まらない事態になりつつある。日本では報じられない「モスクワ植民地帝国」崩壊のシナリオ。


自衛官の処遇改善、先送りにした石破総理の体たらく|小笠原理恵

自衛官の処遇改善、先送りにした石破総理の体たらく|小笠原理恵

「われわれは日本を守らなければならないが、日本はわれわれを守る必要がない」と日米安保条約に不満を漏らしたトランプ大統領。もし米国が「もう終わりだ」と日本に通告すれば、日米安保条約は通告から1年後に終了する……。日本よ、最悪の事態に備えよ!


韓国でも報じられない「尹錫悦大統領弾劾裁判」の真実 | 康容碩

韓国でも報じられない「尹錫悦大統領弾劾裁判」の真実 | 康容碩

尹錫悦氏と司法研修院の同期でYouTubeフォロワー100万人を誇る人気弁護士が独占インタビューで明かした「大統領弾劾裁判」の全貌。


自衛隊の特定秘密不正の多くは政令不備、いますぐ改正を!|小笠原理恵

自衛隊の特定秘密不正の多くは政令不備、いますぐ改正を!|小笠原理恵

潜水手当の不正受給、特定秘密の不正、食堂での不正飲食など、自衛隊に関する「不正」のニュースが流れるたびに、日本の国防は大丈夫かと心配になる。もちろん、不正をすれば処分は当然だ。だが、今回の「特定秘密不正」はそういう問題ではないのである。


最新の投稿


【今週のサンモニ】コメの生産性向上と輸入自由化を目指せ|藤原かずえ

【今週のサンモニ】コメの生産性向上と輸入自由化を目指せ|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


日本国は宗教に冷淡|上野景文(文明論考家)

日本国は宗教に冷淡|上野景文(文明論考家)

統一教会への解散命令で、政教分離のあり方に注目が集まっている。 日本の政教分離は、世界から見てどうなのか――。


From Hope to Hostility: Conservative Party of Japan Faces Growing Backlash|Jason Morgan and Kenji Yoshida

From Hope to Hostility: Conservative Party of Japan Faces Growing Backlash|Jason Morgan and Kenji Yoshida

Political conservatives in Japan have entered into a season of re-sorting.


【我慢の限界!】トラックの荷台で隊員を運ぶ、自衛隊の時代錯誤|小笠原理恵

【我慢の限界!】トラックの荷台で隊員を運ぶ、自衛隊の時代錯誤|小笠原理恵

米軍では最も高価で大切な装備は“軍人そのもの”だ。しかし、日本はどうであろうか。訓練や災害派遣で、自衛隊員たちは未だに荷物と一緒にトラックの荷台に乗せられている――。こんなことを一体、いつまで続けるつもりなのか。


【今週のサンモニ】「過激な平和主義者」の面目躍如、日本学術問題報道|藤原かずえ

【今週のサンモニ】「過激な平和主義者」の面目躍如、日本学術問題報道|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。