2008年北京五輪の聖火ランナーを投獄
ウイグル人への弾圧はオリパラ開催下の現時点で進行しているのみならず、過去にオリンピックの聖火ランナーなどで関わった人達にも行われている。
米国連邦議会が出資する「自由アジア放送(RFA)」の報道によると、2008年の北京夏季五輪の際、聖火ランナーを務めたウイグル人男性のアディル・アブドゥレヒムさんが「反革命」的な動画を見たことを理由に懲役14年の刑を受けて収監されているとのことである。
また、同じく2008年の北京五輪で聖火ランナーを務めたウイグル人男性のカマルトゥルク・ヤルクンさんは、父親のヤルクン・ロジさんが2016年に逮捕され、今はアメリカに在住し、父の釈放を求め活動している。
ロジさんは「分離主義活動に従事した」という理由で2016年に逮捕され、2018年に国家政権転覆扇動罪で懲役15年の有罪判決を受けた。ロジさんは、文芸評論家かつ作家で、10年以上にわたって使用されてきたウイグル文学の教科書の編集を担当していたということで、息子のカマルトゥルク・ヤルクンさんは、「ウイグルの文化、言語、アイデンティティを維持しようという父の努力を潰すため、中国当局が逮捕し、投獄した」と語っている。
北京冬季五輪に参加したアスリートの責務
ヤルクンさんはツイッターで、北京冬季五輪前に五輪へのボイコットを呼びかけ、北京五輪の開催は、中国による大量虐殺を助長するだけだと発信した。ヤルクンさんは、このように訴えている。
「ウイグルに対する中国のすべての大量虐殺と侵害を踏まえれば、北京冬季五輪に参加することは、この悪夢を恒久化するのに役立つだけです。アスリートがオリンピックのステージを利用して、ウイグルに対する連帯と支援を表明してくれることを願っています」
悲痛な叫びであり、ヤルクンさんのツイッターでは、妹も動画で父親の解放を求めている。
我々は、二度と民族弾圧のもとプロパガンダとして行われるオリンピックを行なわせないとともに、中国国内のウイグル、チベット、南モンゴルの方々の自由の確立と独立、解放を支援していかなくてはならない。
こうした中国の覇権主義、ロシアのウクライナに対する侵略。我が国は自由主義陣営のリーダーとして国際社会と連携し、断固たる措置を取って行くべきである。