従軍慰安婦映画『主戦場』の悪辣な手口|山岡鉄秀

従軍慰安婦映画『主戦場』の悪辣な手口|山岡鉄秀

いまから2年ほど前、ミキ・デザキという上智大学の院生を名乗る青年が、保守論壇でお馴染みの言論人にアプローチしてきた。「慰安婦問題に焦点を当てたビデオドキュメンタリーを作りたいから取材させてほしい。修士修了プロジェクトです」というのだ。


(※5月24日発売の月刊『Hanada』2019年7月号に本記事の続報が掲載されています。併せてご購読ください)

山岡鉄秀 プロパガンダ映画『主戦場』の偽善

ミキ・デザキと名乗る青年

『主戦場 The Main Battleground of The Comfort Women Issue』

いまから2年ほど前、ミキ・デザキという上智大学の院生を名乗る青年が、保守論壇でお馴染みの言論人にアプローチしてきた。「慰安婦問題に焦点を当てたビデオドキュメンタリーを作りたいから取材させてほしい。修士修了プロジェクトです」というのだ。

デザキ氏のメールのひとつにはこうある。

「慰安婦問題をリサーチするにつれ、欧米のリベラルなメディアで読む情報よりも、問題は複雑であるということが分かりました。慰安婦の強制に関する証拠が欠落していることや、慰安婦の状況が一部の活動家や専門家が主張するほど悪くはなかったことを知りました。私は欧米メディアの情報を信じていたと認めざるを得ませんが、現在は、疑問を抱いています。(中略)

大学院生として、私には、インタビューさせて頂く方々を、尊敬と公平さをもって紹介する倫理的義務があります。また、これは学術的研究でもあるため、一定の学術的基準と許容点を満たさなければならず、偏ったジャーナリズム的なものになることはありません」

アプローチされたのはケント・ギルバート、櫻井よしこ、藤岡信勝、杉田水脈、山本優美子、テキサス親父ことトニー・マラーノ、テキサス親父事務局の藤木俊一などの諸氏。全員、デザキ氏の言葉を信じて協力した。中立公正なドキュメンタリーが作られると期待して。

そして時は流れ、2019年3月27日、私は渋谷にある小さな映画館に向かっていた。デザキ氏の映画の試写会があると聞いたからだ。なんでも、デザキ氏の取材依頼を受諾した前出の人々は全員が後悔しているという。デザキ氏の映画が期待に反して、「新たな慰安婦プロパガンダ映画」であることが判明したというのだ。

何があったというのだろうか?前評判では、慰安婦性奴隷説推進派と反対派の双方から公平に意見を聞くということだった。推進派からは、吉見義明氏、戸塚悦朗氏、林博史氏、中野晃一氏、植村隆氏などの名前が見える。さらに韓国の挺対協代表のユン・ミヒャン氏、『帝国の慰安婦』を上梓して起訴されたパク・ユハ氏の名前まで挙がっている。これだけの人々が出演しているのだから、何があったのか、どんな映画になったのか、確認する必要がある。その映画のタイトルは『主戦場 The Main Battleground of The Comfort Women Issue』。

関連する投稿


【読書亡羊】「K兵器」こと韓国製武器はなぜ売れるのか 伊藤弘太郎『韓国の国防政策』(勁草書房)

【読書亡羊】「K兵器」こと韓国製武器はなぜ売れるのか 伊藤弘太郎『韓国の国防政策』(勁草書房)

その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする時事書評!


韓国大統領・尹錫悦の犯罪、保守派は幻想を捨てよ|邉熙宰(ピョンヒジェ)

韓国大統領・尹錫悦の犯罪、保守派は幻想を捨てよ|邉熙宰(ピョンヒジェ)

尹錫悦に騙されてはならない!文在寅政権下で検察総長を務めた男が過去に行った国家を揺るがす驚くべき犯罪。尹錫悦の「親日政策」は完全な偽物だ!韓国メディアウォッチの邉熙宰氏が緊急警告。


慰安婦問題を糾弾する「日韓共同シンポジウム」の衝撃|松木國俊

慰安婦問題を糾弾する「日韓共同シンポジウム」の衝撃|松木國俊

日本側の慰安婦問題研究者が、「敵地」とも言うべき韓国に乗り込み、直接韓国の人々に真実を訴えるという、大胆で意欲的な企画が実現した。これまでになかった日韓「慰安婦の嘘」との闘いをシンポジウムの登壇者、松木國俊氏が緊急レポート!


靖國神社の御霊に応えよ|古庄幸一

靖國神社の御霊に応えよ|古庄幸一

世界に誇る我が国の伝統と文化を大切にして、国を愛する政府の長たる内閣総理大臣が終戦記念日の8月15日または秋季例大祭に靖國神社を参拝することは、普通の国への一歩になる。


「大東亜戦争」との呼称を禁止したGHQ 我々の世代で戦後史観からの脱却を!|和田政宗

「大東亜戦争」との呼称を禁止したGHQ 我々の世代で戦後史観からの脱却を!|和田政宗

まもなく8月15日の終戦の日を迎える。広島原爆の日、長崎原爆の日、東京大空襲をはじめとする各地の空襲により亡くなった方々への慰霊の日を経て、8月15日がやってくる。改めて感じることは、我々50歳前後を中心とする世代がしっかりと先の大戦の事実を伝えていかなくてはならないということであり、東京裁判史観、戦後史観からの脱却を果たさなくてはならないということである。


最新の投稿


速やかなる憲法改正が必要だ!|和田政宗

速やかなる憲法改正が必要だ!|和田政宗

戦後の日本は現行憲法のおかしな部分を修正せず、憲法解釈を積み重ねて合憲化していくという手法を使ってきた。しかし、これも限界に来ている――。憲法の不備を整え、わが国と国民を憲法によって守らなくてはならない。(サムネイルは首相官邸HPより)


トランスジェンダー予備自衛官の本音|小笠原理恵

トランスジェンダー予備自衛官の本音|小笠原理恵

バイデン大統領は2021年1月25日、トランスジェンダーの米軍入隊を原則禁止したトランプ前大統領の方針を撤廃する大統領令に署名した。米軍では大統領が変わるごとにLGBTの扱いが激変――。だが、自衛隊ではお互いに理解を深めつつ共存している。その一例をご紹介しよう。


【今週のサンモニ】住民関係をズタズタにする『サンモニ』・反原発活動家|藤原かずえ

【今週のサンモニ】住民関係をズタズタにする『サンモニ』・反原発活動家|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


【読書亡羊】「K兵器」こと韓国製武器はなぜ売れるのか 伊藤弘太郎『韓国の国防政策』(勁草書房)

【読書亡羊】「K兵器」こと韓国製武器はなぜ売れるのか 伊藤弘太郎『韓国の国防政策』(勁草書房)

その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする時事書評!


【今週のサンモニ】寺島実郎氏の「禅問答」に徹底的に付き合ってみた|藤原かずえ

【今週のサンモニ】寺島実郎氏の「禅問答」に徹底的に付き合ってみた|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。今回はいつも何を言っているのかピンとくることのない寺島実郎氏のコメントに、逐一突っ込みを入れてみました。