【読書亡羊】米中戦争は「必然」なのか? エリオット・アッカーマン、ジェイムズ・スタヴリディス『2034 米中戦争』(二見文庫)

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その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする週末書評!


今のところ、軍事的な米中間の摩擦はあくまでも「お互いに抑止をかけあっている」状態であり、双方とも「軍事的衝突を望んでいるわけではない」と解説される。「戦わずして勝つ」という「孫子の兵法」以来の戦略を持つ中国だけでなく、アメリカとてそれは同じはずだ。

もちろん、中国の戦争への意志を挫くためのあらゆる施策(外交、経済制裁他)も必要だろう。だがそうした施策はあくまでも、戦争を「回避」するために行われる必要がある。

本書にも、核戦争を最初から望んでいたような人物はいない。しかし結果としてそうなってしまった。ではどの時点の、どの選択が違っていれば核戦争の結末を避けられたのか。事ここに至るずっと前の選択が、こうした結末を招いた可能性はないのか。

「同じ未来をたどらないでくれ」

本書は、今物語の渦中にいる私たちに切実にそう訴えてくるのだ。

梶原麻衣子 | Hanadaプラス

https://hanada-plus.jp/articles/712/

ライター・編集者。1980年埼玉県生まれ。月刊『WiLL』、月刊『Hanada』編集部を経てフリー。雑誌、ウェブでインタビュー記事などの取材・執筆のほか、書籍の編集・構成などを手掛ける。

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