原子力に限らず発電所建設には長いリードタイム(工程に着手してから全ての工程が完成するまでの所要期間)を要するため、長期の投資回収を予見しやすくして投資を促す仕組みとして必要であり、既にイギリス、フランス、アメリカで実績が認められている制度である。これを否定する河野氏は、電力の需給バランスを確保して停電を防ぐという極めて重要な対策を否定しているのだから、我が国の基幹エネルギーである電力を極めて脆弱にする。(容量市場について詳しくは電力広域的運営推進機関(OCCTO)のHPに記載されているので参照して頂きたいhttps://www.occto.or.jp/market-board/market/)
容量市場の役割
【2】原子力について「必要な規模を持続的に活用」を修文(削除)しろと要求
エネ庁:それからですね、原子力全体についてでございます。これについては特に18ページをご覧下さい。18ページは必要な規模を持続的に活用というところ、これを修文いただいておりますけども、これについての修文は梶山大臣ともご相談しましたが、応じられないということでございます。
河野大臣:はい、じゃあこっちも応じられない。はい、次。
2050年までに実質的な二酸化炭素の排出量をゼロにするカーボンニュートラル(CN)を達成するには、原子力発電所の必要な規模を持続的に活用する以外の解決方法はない。
気象によって電気出力が変動する再生可能エネルギーで電力を100%賄うことは、技術的にも経済的にも成立の見込みが立っておらず、世界でもそのような国は未だ存在しない。仮に再生可能エネルギーを主電源化するにしても補完電源(バックアップ電源)が一定の割合で必要なのは、現実の政策として自明である。
エネルギーは複数の供給源を組み合わせてリスクヘッジを行い、セキュリティを確保すべきものであって、これは米国や送電系統で結ばれた西欧諸国などでも取られている戦略である。このような常識的なことは経済産業省は当然調べ尽くしており、梶山経済産業大臣が認める訳がない。もし仮に河野太郎氏が首相になれば、全く実現性のない「再生可能エネルギー優先政策」が強引に進められることになり、我が国は大停電を繰り返す恐れが極めて高い。経済も破綻するだろう。