あの菅野完氏も登場――朝日新聞取材班『権力の「背信」』|編集部

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編集部・梶原の「リベラル本 ずぼら書評」


本書にはもちろん、この件に関するやり取りは書かれていません。抗議を受けたことはスルー。交渉記録は近畿財務局側の記録ではあるわけですが、「事実誤認である」と申入れがなされている。朝日新聞はこれをどう考えるのか。「スクープの現場」で起きるこのようなケースにどう対応するのかは、書き残しておくべきことのように思います。

2017年2月9日の第一報を打つ際には

〈(記事の)表現が正しいかどうか。取材先から誤解され、思わぬクレームが来ないよう、一字一句に気を配る。緊張からか、体から汗が噴き出す〉

というほど慎重だったようなのですが、この件についてはストレートにクレーム(記事と認識の修正要請)が来ていますよ! にもかかわらず、本で触れもしないというのは、いかがなものでしょうか。

「森友編」の最後には〈核心にたどり着こうとする朝日新聞の取材もまた、変わらずに続く〉とあります。そしてこの本は中間報告である、とも。「総括」が待たれます。

【本書の「気になるポイント」】

例の、「安倍晋三記念小学校」名に関する報道。確かに当初、森友学園側は近畿財務局や大阪府に「この名称で行きたい」と言っていたらしき形跡が交渉記録に残っています。が、申請時には別名にしていました。

朝日は小学校の設立趣意書に「安倍晋三小学校」とあった、と書き、誤報を出していますが、これについての本書の記述はあれこれと経緯を説明したうえで、

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