昨年来、メディアが問題視してきた「森友学園問題」、騒動の「残された謎」であった、籠池夫妻の態度の急変。なぜ「安倍総理を敬愛している」とまで言っていた夫妻が、政権批判に転じたのか――。籠池家長男・佳茂氏が、渦中で起きていた驚くべき事実を明かした。
籠池 両親の態度の急変については、ひとえに私と両親の判断ミスが引き起こしたことです。順を追って詳しくお話したいと思いますが、メディアスクラムの渦から逃れたくて選んだ選択肢が、ことごとく誤った方向に行ってしまった。地方の一幼稚園では対処しきれず、逃れられない泥沼に呑み込まれてしまいました。
その泥沼に足を踏み入れる契機となったのが、昨年3月10日、塚本幼稚園内で行われたメディア向けの記者会見だった。
小川 そこでのちに「籠池夫妻のメディア対応の窓口」となる著述家の菅野完氏と対面することになった。
籠池 はい。彼も会見に出ており、質疑応答で挙手したのです。
編集部 前理事長が「あんたが菅野さんか」と言ったあの場面ですね。
籠池 今考えれば、これが大きな運命の分かれ道になりました。
昨年当時、テレビでも報じられたこの場面をご記憶の方も多いだろう。この時点でメディアの報道は森友学園・塚本幼稚園の教育内容を中心に、過熱を極めていた。細かく振り返ってみると、日の丸を掲げての会見後の、籠池夫妻の態度「急変」、稲田朋美防衛大臣告発動画の公開、野党議員を自宅に招いての会談、「昭恵さんから100万円もらった」発言まではわずか1週間弱の間に起きたことだ。
対談では、この間の出来事を、時系列に沿って丹念に追っている。