ラサール石井氏ら文化人やタレントも……おなじみのメンバーが批判
日本共産党の志位和夫委員長は6月2日の記者会見で、「どういうプロセスで決まって、何を目的にやったのか」と述べ、ブルーインパルスの感謝飛行についてその経緯の説明を求めた、と産経新聞が報じています。 「自衛隊の解消」を党の綱領に書いてきた共産党の代表である志位氏の発言としては、直接的な批判を避けたものであり、共産党らしくない発言です。
この点について、産経新聞は「ネット上でも好意的な意見がある中、現実路線のアピールに力を入れる共産党としては、強い批判を避けた可能性がある」と分析しています。
ブルーインパルスの飛行に対する批判は、政治家だけではなく、文化人やタレントも発言しました。映画監督の想田和弘氏は〈これにかかる費用はいくらになるのでしょうか。医療機関や従事者の方々に経済的支援を手厚くした方が、よほど敬意と感謝を示せるように思うのですが〉と否定的なツイート、タレントのラサール石井氏は〈私はブルーインパルスが飛んでいる写真に萌える人が多いのは、空のおかげだと思う。凄い飛行技術には脱帽しますが、青空なしで、戦闘機だけが飛ぶのではさほど心は動かない。沖縄の空を爆音と共に飛ぶ姿はかなり嫌です。戦闘機を「カッコいい」と思う事はある。その気持ちを誰かに利用されない事だ〉と投稿しています。
その他にも、志葉玲氏、米山隆一氏、蓮池透氏、立川談四楼氏などが同様の批判をしていますが、従来から安倍政権や自民党を批判してきた、いつものメンバーです。
政治利用するマスコミ
メディアでは朝日新聞系の日刊スポーツが、共同通信の配信記事「ブルーインパルス感謝の“航空ショー”は誰の発案?」を掲載して、防衛省幹部が「政治利用ではないかとの批判を警戒しているのだろうが、誰がどう決めたのか説明しないと臆測が広がりかねない」と話したという記事を出しています。いったいどこの防衛省幹部か分かりませんが、極めて嫌味な記事です。
また、東京新聞は6月3日付「ブルーインパルスはなぜ都心を飛んだ? 『政治利用』 『迷惑』の声も」という記事を配信しました。記事では軍事ジャーナリストの前田哲男氏のコメントを掲載しています。以下、前田氏のコメント。
「東京の空は旅客機が飛び交い、すぐ近くでも自衛隊や米軍の航空機が飛ぶ、騒がしい状態。そこにブルーインパルスが飛べば、接触事故の潜在的危険が高まる」と指摘。飛行で医療従事者への感謝を示す発想に「関係性が分からない」と訝り、こう断じた。 「新型コロナ問題では防衛省も頑張ったと伝えたいのだろう。でも、これではブルーインパルスの政治利用だ」
この前田氏も従来から日米同盟批判、安保法制批判で名高い左翼側の軍事ジャーナリストです。彼らにとって、ブルーインパルスの都心における飛行は政権批判のチャンスであり、防衛省・自衛隊を批判するための格好の道具といえます。いったい、どちらがブルーインパルスの政治利用でしょうか。