ボルトン回顧録に見る米朝関係|島田洋一

ボルトン回顧録に見る米朝関係|島田洋一

話題のボルトン回顧録で明らかとなった米朝交渉の実態と日本への警鐘


安倍政権への注文

もっとも幾つか注文を付けている。非核化完了に2年という数字が日本から発信されたことがある(例えば当時の河野太郎外相のその趣旨の発言がニュースになった)。これは間違ったメッセージとなる。ボルトン氏が日本側に危惧を伝えたところ、次の日米首脳会談で安倍首相の口から、6~9か月で完了すべきだとの言葉が出たという。修正されたのはよかったが、今後とも閣僚クラスが思い付きの数字を口にすべきではないだろう。

また、安倍首相が立場上トランプ氏の北朝鮮政策を手放しで称賛するのは分かるが、トランプ氏が誤解しないよう、分かりやすくクギを刺すことも必要だと述べている。

この点は、内部からクギを刺せるボルトン氏が政権を去った今、より重要である。ボルトン氏はビーガン国務副長官兼北朝鮮担当特別代表の対北交渉姿勢が「明らかに弱い」と繰り返し厳しく批判している。ポンペオ国務長官も十分統御できていないという。日本側が警戒すべき点だろう。(2020.06.29 国家基本問題研究所「今週の直言」より)

著者略歴

島田洋一

https://hanada-plus.jp/articles/404

福井県立大学教授、国家基本問題研究所評議員・企画委員、拉致被害者を救う会全国協議会副会長。1957年大阪府生まれ。京都大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程修了。著書に『アメリカ・北朝鮮抗争史』など多数。

国家基本問題研究所「今週の直言」

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