中村時広愛媛県知事に重大疑惑!【告発レポート】|長谷川学

中村時広愛媛県知事に重大疑惑!【告発レポート】|長谷川学

「メモが出てきた!」加計問題で安倍首相の関与を匂わせる発言を行ったことでメディアからヒーローのようにもてはやされた中村時広愛媛県知事。真偽不明のメモを持ち出す手口は自身が関与する最悪の環境汚染事件でも用いられていた!自らの責任回避のために他人に責任を転嫁し、糾弾するあざとい政治手法と巨額の税金投入。国民の目が届かない地方政治の現場で進行する腐敗の実態を告発!


発言には不可解な点が多い(画像は愛媛県庁のHPより)

怪文書まがいの代物を公表

さらに中村氏は“仕掛け”を続けた。  

14年2月3日、愛媛新聞が松山市議全員にアンケート調査をした結果、41人全員がレッグからの献金や関与を否定したと報道。  

すると中村氏は2月18日、メモの概要と称するA4判一枚のペーパーを公表し、記者会見で反論した。  

ところが、中村氏が公表したのは怪文書まがいの代物だった。  

ペーパーに記された項目は、たったの三つ。一項目目は、名前は伏せてあるがK氏に関するもので、K氏の他、レッグ関係者と民間会社社長が同席し、「許可更新させてほしい」と要望、市職員二名が対応したなどと記されていてそれなりに詳しいが、市側の対応を読むと「現状では再開は認めにくい」と発言しており、中村氏が指摘する“圧力”なるものは一蹴されている。  

二項目目の「レッグに関して『口利き』と思われる働きかけのあった議員」についての記述は、「〇〇議員、△△議員、●●議員、▲▲議員」とあるだけ。  

三項目目も、「△△議員は許可更新について、『レッグがつぶれれば市費を投入することになるが、その時は反対する。』とかなり強く発言」で終わり。  

中村氏は、市職員が作成した、もとのメモは三枚あるとしたが、それがどういう形で上がってきたかについては「覚えていないが、探したら出てきた」と曖昧な発言をした。  

また発表したメモ概要は、中村氏がメモを参考にパソコンで打ち直したものという。  

しかし、それほど自信があるなら市議の氏名を明かせばいいものを、中村氏はなぜか匿名にこだわった。  

その理由を中村氏は、マスコミ向けに別途配布したA4判一枚のペーパーのなかで、次のように説明している。

「名前の公表に伴う名誉毀損、メモの真偽や所有の問題を理由とした解明不着手、公務員の守秘義務論議など、真実追及の論点をすり替えるためのあらゆる手段が講じられてくることも考えておかねばなりません」  

さらにペーパーには、「今後は刑事告発を念頭に松山市と警察などの関係機関と協議が進められる」として、「関係機関から要請があれば、メモを提供するなど、全面的に協力していく」との記述もある。

知事の不可解な言動真相解明の支障に

だが、その後の松山市と市議会の要請にもかかわらず、いまだにメモは提供されておらず、刑事告発もない。本当にメモが存在するかどうかの客観的証明すらできない状態が続いているのだ。

「加計学園問題でも、中村氏は県職員のメモや備忘録の現物を公表していません。そのやり方は六年前のレッグ問題のときと瓜二つです」(先の松山市議)  

別の松山市議も、私にこう語った。

「環境汚染問題と市議が圧力をかけたかどうかはまったくの別問題で、知事は市議会に責任を転嫁しようとしたのです。そもそも、レッグの事業再開許可の決裁は中村市長時代のこと。他人に責任を転嫁したり、マスコミを使って自分をより良く見せようとするのは、中村氏のいつものやり方です」

松山市役所はメモ概要公表後、4回目となる内部調査を実施したが、メモの内容に相当する内部文書は見つからなかった。  

また、16年9月14日の市議会の答弁で、野志市長は議員関与の有無について「把握していない」と発言。関与ありと主張しているのは中村氏ただ一人であることが浮き彫りになった。  

メモを公表しないで市議会を一方的に攻撃する中村氏に対し、松山市議会は「いずれにしてもメモを表に出せばハッキリする」(保守系の松山市議)との理由から、中村氏にメモの返還を求める決議を賛成多数で可決。 「メモが本物なら、市が所管すべき公文書の行政情報に当たるので、中村氏に返還を求めた」(同前)のだ。  

決議文は「レッグ問題は、当時の松山市長の不適切、不十分な行政対応が原因となり、ここまで問題が深刻化した人災である」と指摘。  

そのうえで、「レッグ問題の発生とは全く関係がないことを認めながら、未だに固執し続ける議員関与や圧力、また、根拠のない誹謗中傷、責任転嫁など、問題解決、真相解明に向けた取り組みに支障となっている知事による不可解な言動に終止符を打ち、さらには知事による市政への不当介入に歯止めをかけるため」「不自然極まりない知事主張のメモの返還」を求めたのだ。

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