籠池長男が反省告白 両親は安倍総理に謝れ!|小川榮太郎×籠池佳茂

籠池長男が反省告白 両親は安倍総理に謝れ!|小川榮太郎×籠池佳茂

月刊『Hanada』2018年9月号に掲載され、大反響を呼んだ「籠池長男が反省告白 両親は安倍総理に謝れ!」の全文をついに公開!「森友問題とは何だったのか?」。衝撃の真実がいま明らかになる――。


小川 皇室崇敬の様々な行事参加など、その思いが純粋であったことは、保護者の皆さんへのインタビューでも伺っています。しかし如何なる理由があれ、昭和天皇がご来園されたというような記載はミスや話を盛ったでは許されません。

これは一連のパニック的反応への同情とは区別しておきます。これが保守派には決定的で消し難い不信の種になりました。とにかく、が一番駄目。特に、理事長が反安倍になってからの昭恵夫人についての発言はいけません。

証人喚問までの前理事長の言い分を見ると、「昭恵さんには何もしてもらっていない」という発言から始まって、当初は「(いい学校を作りたいというみんなの思いが)吹き抜けた。神風だ」 「ゴミが出てきて値段が下がり、購入できたのは天の配剤だ」などと言っており、昭恵夫人の後押しがあったという話はなかった。

しかし、昭恵夫人から100万円もらった話が出たかと思うと、証人喚問で芝居のようにその場面を詳細に再現した。そこでさらに、夫人付き職員だった女性とのFAXを提示し、内容はゼロ回答であったにもかかわらず、メディアに昭恵夫人追及の材料を与えてしまった。

以降は、「昭恵氏との写真を出してから話がスーッと進むようになった」などと言い出していますが、事実の経緯とは全く合っていません。

もう一つ。前理事長は一度、昭恵夫人のお店に「100万円を返しに来た」といって、1枚目と最後以外は白紙という偽物の札束を持って現れました。

そして逮捕前の東京都議会選挙の際、秋葉原の安倍総理の街頭演説にも出向き、「100万円返したい」と報道陣に話したり、ヤジを飛ばした。芝居がかったがこう重なれば言い訳のしようがないでしょう。

編集部 元理事長の手のひらには、セリフが書き込まれていましたよね。

籠池 誰の振り付けであれ、やってしまったことは事実なので、あまりそういう言い方はしたくないんですが、変化球的な言動がアドリブでできる家族ではないんです。

街頭演説の場所に行くまでのタクシーには、TBSのカメラが箱乗りしていました。初めから、「面白い画を撮らせる」という話になっていたのでしょう。

狂騒曲の驚くべき内情

小川 昭和天皇に関するHPの記載と2017年3月以降の籠池氏の豹変やの累積とが結びつき、本来、味方だった保守派が「籠池は信用ならない」と強く不信を持つ材料になってしまいました。何度も言いますが、そこは責められても仕方ない。

ただ、それでも私は切り分けて考えたい。塚本幼稚園の素晴らしさや籠池前理事長が本来持っていた志と、パニックの渦に巻き込まれてからの言動は区別すべきだ、といっておきたいですね。

籠池 教育勅語や軍歌を歌う場面、あるいは運動会での「安倍総理頑張れ」の宣誓などがクローズアップされましたが、そろばん、将棋、剣道、論語などのソフトな教育もきめ細かく、私自身が親として息子を通わせたいと思う幼稚園でした。

軍歌についても毎日歌っているわけではなく、敬老の日や國神社参拝時に披露していたものです。教育内容は、試行錯誤しながら、教職員と知恵を出し合って特色を出してきたものでした。

編集部 取り消しが検討された防衛省からの感謝状について、防衛省に推薦した海上自衛隊は、会見で「塚本幼稚園が、遅くとも1999年から、護衛艦が入港する際に園児の鼓笛隊が演奏で歓迎したり、東アフリカのソマリア沖アデン湾に海賊対処活動で派遣された護衛艦の乗員に顔や動物などを描いて激励する絵本や貼り絵を贈ったりしていたからだ」と述べています。

たまたま稲田防衛大臣だったから過剰反応を起こしただけで、こういった活動そのものは十分感謝状に値するのではないでしょうか。

籠池 そう言っていただけると、本当にありがたいです。

小川 前理事長が小学校開設に踏み切ったのも、第1次安倍政権の成果である教育基本法が改正され、愛国心などの重要性が教育として盛り込まれたことを契機にしています。

菅野さんや朝日新聞は、そうした流れのうえに立つ愛国小学校の試みは潰したかったんですよ、本当に。

籠池 私自身は、旗幟鮮明な教育に賛同する一方で、いわゆる左派勢力に目を付けられるのではないかという危惧は以前から持っていました。実際に、幼稚園に対してもこれまで様々な妨害があったと聞いています。

そのうえ小学校まで開校するとなれば、何としても潰したいと考えた人たちがいたとしても不思議ではない。それに対する防衛策は、日ごろからもう少し考えておくべきだったと思います。危機管理がもう一歩、至らなかったというしかありません。

自分たちの責任から逃れるつもりは毛頭ありません。補助金の話などもこれから司法の場で明らかにしていくべきことです。ただ、父は私利私欲のために小学校を開校しようと思ったのではない。
むしろ、厳しい財政状況を何とかやりくりして日本人のための教育ができる小学校を作りたかった。それだけなのです。

小川 1年あまりの狂騒曲でしたが、事の本質は、安倍政権潰しと愛国幼稚園、保守系小学校潰し、そして左翼活動家が、マスコミと野党、民団、左派弁護士らと組んで内側から保守を解体しようとする驚くべき組織戦です。

違法ではないかもしれない。しかし、こんな些細な事件で国会と政権を氷漬けにし、籠池氏を籠絡し、洗脳的な情報組織戦に利用していたことになる。

籠池が全部悪かったんだ──保守派は、こうした単純な籠池悪玉論に乗ってこの事件を片付けては決してなりません。

対談者略歴

小川榮太郎

https://hanada-plus.jp/articles/208

文藝評論家、社団法人日本平和学研究所理事長。昭和42(1967)年生まれ。大阪大学文学部卒業、埼玉大学大学院修了。第18回正論新風賞を受賞。主な著書に『約束の日―安倍晋三試論』(幻冬舎)、『徹底検証「森友・加計事件」――朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪』(飛鳥新社)など。公式サイト→http://ogawaeitaro.com

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