この空爆について、米政府は、麻薬カルテルから米国を守る目的で武力紛争法(米国内法)を発動したものとしていますが、ICC元主任検察官のルイス・モレノ=オカンポ氏は、平時における民間人犯罪者に対する計画的かつ組織的な攻撃として人道に対する罪に当たると主張しました。
ヘグセス米長官は「全員殺せ」と命令していないと海軍提督 連邦議員たちに証言 - BBCニュース
https://www.bbc.com/japanese/articles/cn5lkw74v42oカリブ海で「麻薬密輸船」とされる船に、米軍が「ダブルタップ」と呼ばれる追い打ち攻撃をした際、ピート・ヘグセス米国防長官が「全員殺せ」と命令していたのかどうかについて、フランク・ブラッドリー海軍提督は4日、連邦議員たちに対して、長官はそのような命令はしなかったと証言した。非公開の場での聞き取りに出席した複数の両党議員が、明らかにした。米軍は同日夜、新たに東太平洋で「麻薬を運搬」していたとする船舶を攻撃し4人を殺害したと発表した。
米国防長官、生存者は目にしていなかったと主張 「麻薬船」追撃で - BBCニュース
https://www.bbc.com/japanese/articles/cy4x84zrlxgo米海軍がカリブ海でヴェネズエラの麻薬運搬船だとする船に追い打ち攻撃を実施したことについて、ヘグセス米国防長官は2日、「個人的には生存者を目にしなかった」と述べた。
過去に米国は、国家の主権を侵害するとして、再三ICCを敵視してきました。ジョージ・W・ブッシュ大統領は、2002年、米軍の軍人の訴追を阻止するため、クリントン大統領が署名していたICCのローマ規定を撤回して、ICCから脱退しました。
次に就任したオバマ大統領は、オブザーバーを会議に送るなど、脱退の立場を維持しながら、ICCとの関係改善を図りましたが、トランプ大統領が就任すると、関係は悪化し、ICC関係者を制裁しました。
バイデン大統領はICC関係者への制裁を解除して、ICCによるプーチンに対する逮捕状の請求を支持する一方、ネタニヤフに対する逮捕状の請求を強く非難しました。
結局、米国の現実主義とICCの理想主義には一定の乖離があり、米国はICCを国家安全保障上の脅威と認定してきたのです。
いずれにしても、米国は、自由と民主主義を標榜する法治国家であるのであれば、作戦の正当性を十分に説明する責任があり、国際秩序に必要な国際法体系の構築に協力すべきです。また、少なくとも独立機関の所長に対する制裁は「法の支配」に反するものです。

