このような仕入れの負担をめぐって事業が苦しくなるのは、仕入れ税額控除の減少が想定される飲食店も同様です。飲食店は、現行の税制の下で、可能な限り価格を下げて事業を継続してきました。このバランスが崩れることは事業存続の危機と言えるのです。リーズナブルな価格で多様性に溢れる安全で美味しい外食を愉しめるのは、世界に誇ることができる日本の文化です。食料品の消費税減税はこの文化を破壊する可能性があります。
消費税減税は不平等な再配分
加えて、消費税減税は、金を多く使う富裕層ほど優遇を受ける不平等な再配分です。
また、2年間限定の減税にあたっては、減税前の買え控えと減税後の需要低下が発生するのは自明です。このような状況下で、政府が物価の緊急対策として行うのであれば、定額給付あるのみです。
貧富の差にかかわらずに平等に受給できる定額給付は、コロナ禍での給付実績もあり、会計システムに与える負担はゼロです。免税業者や飲食店の事業を圧迫することもありません。
なお、消費税減税および定額給付という需要を喚起する政策は、インフレを加速するだけであり、抜本的なインフレ対策にはなりません。極めて残念なことに、日本国民の財産は、インフレ税という形で、どんどん目減りしています。いまこそ、減税ポピュリズムを止めて、サッチャーが行ったような保守的な経済体制を再構築する時であると思います。政治家の人気取りのための減税ポピュリズムで苦しむのは、国民に他なりません。
しかしながら、多くの国民は消費税減税を望んでいるようです。5月23・24日に実施された毎日新聞世論調査は次のような結果でした。
「1%への減税案でよい」32%
「公約通りゼロ%を実現すべきだ」30%
「消費減税をする必要はない」25%
「わからない」13%。

