そんななか、我らが『サンデーモーニング』は、一糸乱れることなく、国旗損壊罪に反対しています。
寺島実郎氏:「歪んだナショナリズム」というキーワードを使いたい。要するに、国を愛する心というのは大切なんですよ。健全な郷土愛とか、愛国心というのは大切なことなんですね。
日の丸の思想というのがあるとすれば、日ノ本ですから、自分の国を愛すという意味において、本当だったら自律自尊なんですね。
戦後80年からいよいよ100年に向けて動き始めている時にある。日本のナショナリズムとか愛国心ということを強調する人たちをよく聞いていると、親米ナショナリズムなんですよ。米国には着いていこうと。だけど、心の中に反中ナショナリズムというか「中国って嫌だよね」というのがクロスになって、物凄く屈折されたナショナリズムが我々の間にある。
ここで、誇りに値するような、自然に国を愛するような、そういう国造りをしていくということが、政治の世界とか、経済の世界のリーダーにとって物凄く重要なことなんですよね。
もう一つ重要なことは、そういう人たちこそ多民族だとか他国の人たちが持っている自分の国への愛情をもリスペクトするというか、このバランス感覚のナショナリズムということを僕は言っておきたい。
寺島氏が主張するように、日本の一部に「歪んだナショナリズム」が存在することはその通りであると考えますが、「バランス感覚のナショナリズム」とするのは意味不明です。寺島氏は、
【祖国 homeland】を愛する感情としての【愛国心 patriotism】と【ナショナリズム nationalism】の区別が十分についていないようです。
「愛国心」とは、特有の自然・住民・言語・文化・歴史などをもつ祖国に対する【愛着 attachment】の感情のことです。愛着理論によれば、人は乳幼児期に親や養育者を安全基地と認識して精神的絆や一体感をもちますが、同じメカニズムで祖国にも精神的絆や一体感をもつと考えられています。一般に愛国心は国際社会で肯定的な感情と認識されています。
一方、「ナショナリズム」とは、【国家 nation】【共同体 community】としての祖国に対する【忠誠 loyalty】の感情のことであり、自国の利益獲得を行動原理とします。しばしば【民族主義 ethnic nationalism】と結びついて、攻撃的な【排外主義 xenophobia】を肯定する【排他的ナショナリズム chauvinism】に陥ることがあります。
祖国に訴える論証Flag-waving / Appeal to patriotism / Appeal to nationalism愛国心・ナショナリズムを喚起させて論者/論敵の言説を肯定/否定する<説明>【祖国 homeland】を愛する...
また、過激な排外主義者を除き、多くの日本国民が中国に否定的感情をもっているのは、中国国民を敵視する「反中ナショナリズム」ではなく、中国共産党という専制覇権支配者に対する妥当な警戒の感情であると考えます。
一方、多くの日本国民が米国に対して肯定的感情を持っているのは、合衆国市民に無批判に追従する「親米ナショナリズム」ではなく、安全保障上の同盟国に対する妥当な連携の感情であると考えます。

