こんなお下品な話をしていると「なべさんは幽霊の話とか好きですか?」と聞かれた。
そんな事を言われたら興味津々になって来る。
「ぜひ話を聞きたいです」と言うとラブホテルにまつわる怪奇現象について話してくれた。
ラブホテルの霊現象は凄く多くて、部屋で死んでいる人間も非常に多いそうだ。自殺、殺し、心中、死の理由は様々だが、大往生は殆ど無いと言っていた。
霊が出る部屋は大抵決まっていて、フロントへのクレームがやたらと多いそうだ。
クレームの電話で言われる事はほぼ全員が同じで「部屋に誰かいる」。二人っきりの部屋に誰かいるって怖いよね?
詳しく聞いてみると、更に恐ろしい話をしてくれた。
「大抵女性が見てしまうのです。正常位でエッチをしている女性が自分の足元の方を見た時にベッドの脇から顔を出してこっちを見ている人を目撃する。バックでやられている時に目線の先に人の顔を発見し目が合う。そういった連絡がフロントにあるそうで、ほぼ全員が同じ事を言うそうです」
これメチャクチャ怖いし、顔を見付けて目が合った時、物凄くドキッとするに違いない。
だが、こんな話はまだ相撲で言えば平幕級。横綱級の話はもっと凄い。
別ホテルでの霊現象では、やはり女性が発見した。正常位でやっていると目線は天井になる。その時にとんでもないものをみてしまったのだ。
天井を張って歩く女の霊。髪の毛は長く、天井から髪が垂れさがっていたそうだ。しかもその霊は、多くの人に目撃されたそうでホテルオーナーも困っていた。
「実はこの場所なんだけど、新聞沙汰にもなった事件で、中国人ホテトル嬢が部屋で殺害されたんだよ。相談を受けた時、天井を張って歩く女幽霊だから、これはきっと天井に何かあると思ったんだよね。だから調べてみた方がいいよって言ったんだ」
ホテルオーナーは、天井を調べてみる事にした。天井には蛍光灯が取り付けられてあるのだが、その部分を押すと配線工事が出来るようになっていて天井裏の空間が現れた。
そこに手を入れてみると何かが手に触れた。異物を引っ張り出してみると、それは巾着袋のような物で中を確かめてみると現金10万円、貴金属が多数あったそうだ。
その部屋は、毎回殺されたホテトル嬢が使っていた部屋だった。彼女は違法滞在だったので、もしもの時の為にその場所に大切な物を隠していたようだ。きっとそれらを心配して霊となり確かめに来ていたのだろう。
遺留品は、お寺に持って行きお祓いしてもらってお寺で引き取ってもらったそうだ。
「なべさん、話はまだまだありまよ。次回もっと沢山お話しますから」と言って、その人は帰っていった。
自分で経験した話もあるみたいなので、次回会うのを楽しみにしていたのだが、その方は亡くなられてしまった。
ラブホテルは、生が誕生する場所でもある。生と死は表裏一体。なので、霊が出やすいのかもしれない。
小川晶市長もラブホテルで不思議体験をして、いつかそれを語ってくれたら面白いのにな。
昭和45年8月22日生まれ。たけし軍団初の2世タレントとして、91年デビュー。趣味の特撮キャラ収集では、30年以上前から専門誌やイベントで資料提供している。主催のお笑いライブは、個人主催では最長記録である。

