収録スタジオで起きた怪現象
ある時期から怪談師という人達が増えて来た。怪談と言えば稲川淳二さんが有名でこの世界では超大御所だ。稲川さんの怪談ライブは何度か観に行っている。稲川さんの怪談話術は見事だし、こんなにも多くの怪奇現象を体験しているなんて凄いなと感心する。
稲川さんの怪談を収録したスタッフから話を聞いた事があるのだが、収録現場や編集現場でも怪奇現象が起こったらしい。
一度目は収録現場で稲川さんの怪談を聞いていると、稲川さんが座っている横のスタンドライトの電球がバリーンと割れて明かりが消えたそうだ。電球が切れ電気が消える事はあり得るが、電球が割れるって事はほぼあり得ない。
二度目は怪談を録音収録中に起こった。スタジオ内で稲川さんが怪談を話し、ミキサー室でスタッフさんが録音する。そこには音声スタッフもいればデレクターなどのスタッフもいる。
スタジオとミキサー卓の配置を説明すると、スタジオとミキサー卓は別部屋で、スタジオの様子はミキサー卓前がガラスなので見えるようになっていて、ミキサー卓はスタジオの壁にほぼくっ付いている状態だ。
稲川さんの怪談を収録していると、突然ミキサー卓の前に人が現れた。ミキサー卓とスタジオの壁の隙間は10センチも無い。もちろんそこに人は立てない。だとしたらガラス越しのスタジオ内にいるって事?いやいや、スタジオには稲川さんしかいない。しばらくして謎の人間は消えた。こんな事が現場で現実に起こったそうだ。
桜金造さんの逸話
怪談と言えば、桜金造さんも有名だった時期がある。金造さんは芸人の大先輩で、沢山のおもしろエピソードがある人だ。
ある時期、金造さんの怪談DVDでも、とんでもない事が起こった。金造さんが怪談を始め収録開始となる。
「森の一本道を歩いて行くと、古いトンネルが現れて来た。トンネルの先は見えず暗い闇しか見えない」
金造さんの話し方は引き込まれる。
「トンネルに入ると、外の気温とは違い妙に肌寒い。ピタン、ピタン、どこからか水が落ちている音が聞こえる。暗いトンネル内を進んでいくと…で、この後、どうしようか?」
だって。(笑) 金造さん、見切り発車で適当に話をしていたのだ!!芸人として最高のエピソード!
これはDVD制作会社の社長から聞いた話だ。芸人として、とっても良い話。
素人なのかプロなのかよくわからない怪談師が増えた事により「それは俺の怪談だ」とか「著作権侵害」だとか騒ぐ人もいる。
芸人世界にはギャグの著作権やネタの著作権もないのにって思うが、それはそれ。だからうかつに怪談を語れない。そういった事を含めて、今回は著作権が誰だかわからない怪談をしよう。
先日、知り合いから聞いた話で、知り合いは友達から聞いた話。男は終電で自宅のある駅に着き帰宅するために歩いていた。
場所は都内で表通りはバス通りで交通量も多いのだが、一本、二本と道を奥に入ると閑静な住宅街になり人通りが少なくなる。夜中の裏道は誰も歩いていなかった。進行方向右側は新築が並ぶが左側は都内でニュースになっているような空き家が続いている。雑草がぼうぼうになり朽ちた古い民家が続く。
一等地なのだから売ればかなりの高額になるのに。毎回そこを通りながらそんな事を考えていると、目の前少し先に4~5歳の女の子が立っていた。
夜中に小さな女の子が一人!この違和感に驚きながら歩を進めると、女の子が走り出した。タッタッタッタ。
そして、ピタッと止まりこちらを振り向く。男はそのまま歩いていたのだが、女の子は男が近付くとまたタッタッタッタと走り出しピタッと止まりこちらを振り向く。
それが何度か続き女の子との距離は縮まらなかったのだが、次に女の子が走り出した時に左側に曲がりボロボロの家の門に入って行った。
「なんだ、あそこの家の子か?」
そう思ったのだが、同時に「あそこは廃墟じゃないの?」とも思った。
男は歩を進め女の子が入って行った門の前に来たので横を向き門の中を見てみると、廃墟と思われる家の玄関前に女の子が立っていた。男は立ち止まり女の子を見ると目が合った。
その途端、少女が両手を前に出し「助けて~」と悶絶に近い声を上げた。怖くなった男は走って逃げたそうだ。


